メジャーな女性誌からペット特集が消えて久しい。ペットブームというのに、書店にペット雑誌があふれているわけでもない。
ペット雑誌は売れないのかと思いきや、独り勝ちの直販型ペット雑誌がある。ベネッセコーポレーション(以下ベネッセ)発行の『いぬのきもち』(以下『いぬ』)、『ねこのきもち』(以下『ねこ』)がそれ。『いぬ』は2009年10月号が16万7000部と過去最高部数を記録した。
読者に近づくためには基盤コストがかかる
『いぬのきもち』は、犬の気持ちを思いやれるようになれば他人の気持ちも大切にするようになり、社会はもっと優しくなれるはず、という願いから名付けました――。
目次ページには創刊の思いが毎号欠かさず掲載されている(『ねこ』も同様)。この創刊の理念に『いぬ』『ねこ』の躍進理由が隠されている。
人とペットを取り巻く環境は大きく変わった。『いぬ』を創刊した02年当時、少子化、ストレス社会の進行が叫ばれ、単身世帯の増加、そしてペットが飼えるマンションも次々と建設された。肥山英孝・ベネッセ・ペッツハート部長は言う。「ペットを室内で飼う家庭が増え、社会的にペットが認知されないといけない状況が生まれた」。それまでのペット雑誌は投稿写真が中心で、社会の変化に対応できなかった。
「家族と社会が円滑になる事業をやりたい」(肥山氏)という思いが後押しし、理想と現実のギャップがビジネスチャンスとなった。
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