無慈悲!選挙後半戦は「仁義なき戦い」に 自民党は野党の有力者を集中攻撃

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野党の間でも壮絶な戦いが起きている。維新の党の橋下徹大阪市長と松井一郎大阪府知事は9日、そろって愛媛県4区(宇和島市、伊予市等)で街宣した。

もともと日本維新の会は、愛媛県内で一定勢力をもっていた。かつては「参院のドン」と言われた村上正邦元参院議員の流れをくむ県議の横田弘之氏が中心となって、「愛媛維新の会」が結成されたという経緯がある。

かつての同志を集中攻撃

維新の党は同区で森なつえ氏を擁立したが、森氏が2012年の衆院選で出馬したのは出身地の西条市がある愛媛県3区(新居浜市、西条市等)だ。

その森氏がどうして今回4区に鞍替えしたのか。同区では2012年の衆院選で日本維新の会の公認候補だった桜内文城氏が出馬している。桜内氏はかつて、彼らの同志ではなかったか。

9日午前、橋下氏らは桜内氏の出身地である宇和島市で街宣した。この時、森氏は4区への鞍替えの理由について涙で声を詰まらせながらこう言っている。「私はこの愛媛4区には親戚もいない。知り合いも少ない。応援してくれる企業や団体もない。しかし闘わなければならない。どうしても許せないことがあったからだ。いまは次世代の党に移った候補にかつて、子育ての世代の声を聞かせてくれと言われた。なので、友達が子どもの学費の心配をしていること、何人も子どもを産むと大学に行かせられないと懸念していることを伝えた。そうしたらその候補は、『バカな親がバカな大学に行くことを心配しなくていいんだ』と言い放った。これが許せなかった」。

橋下氏は次のように言った。「日本維新の会から次世代の党に移った人は、私のところに一言の挨拶もなかった。桜内さんは党本部にかまぼこ3本持ってきたらしい。私と松井知事と事務局に1本ずつということで。彼らが次世代の党を作る時、ずらりと並んで『国民に道徳教育が必要だ。礼節をわきまえた国民を育てないといけない』と言っていた。いやその前にまず、自分たちが離党する時の挨拶だろうと思った。ということで、これから(桜内氏の)事務所まで行こうと思う」。なんとも凄まじい恨み節である。かつての同志を攻撃する演説を聞く有権者は、どのような思いを持つだろうか。

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