無慈悲!選挙後半戦は「仁義なき戦い」に 自民党は野党の有力者を集中攻撃

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その桜内氏を応援するため7日に松山に入った次世代の党顧問(元みんなの党最高顧問)で参議院議員の江口克彦氏は、翌8日には東京都目黒区の学芸大学駅前でマイクを握っていた。東京5区に無所属で出馬する三谷英弘氏を応援するためだ。

三谷氏が所属したみんなの党は、先月末に解党した。渡辺喜美氏を中心にした新党構想も消え、いまは頼るべき政党もない。2012年の衆院選では4万6629票を得て、東京比例区の定数17のうち、14位で当選したが、無所属では比例復活も叶わない。

「無所属では政見放送もできないのです(注:経歴放送は流される)。こうして直接みなさんに訴えるしかない」。駅前に集まった約10人の支持者を前に、三谷氏はこう訴える。

三谷氏がみんなの党の解党まで付き従った渡辺同党元代表の応援には頼れない。渡辺氏は自分自身の選挙が大変で、他人の選挙を助けるどころではない状態だ。渡辺氏は公示日の前に東京5区に入ったが、三谷氏の決起大会にも顔を出していない。

渡辺氏の事情を知る自民党関係者はこう述べる。「実は渡辺氏は、2012年の衆院選で厳しい選挙戦を強いられた。亡父・美智雄氏の後援者だった重鎮が『今回だけは応援してやる』ということで、なんとか当選した経緯がある。今回はその助けは期待できない。しかも8億円問題の影響も残っている。かなり厳しい状態だ」。

「党から処分を受けたとしても本望」

江口氏は次世代の党に参加している立場。しかし、窮状の三谷氏を見捨てることはできなかった。早朝に羽田に到着した後、午後7時までずっと三谷氏の街宣に付き合った。

「三谷さんはかつてみんなの党で私の同志だった。友情のためだけではない。彼は日本に貢献できる非常に優秀な政治家だから、落とすわけにはいかない。だから私は応援に来た。このために党から処分を受けたとしても本望だ」

無慈悲もあれば、慈愛もあるということか。それらが織りなすドラマがそのまま、日本の政治の歴史になっていくのだろう。そして選挙という闘いを通して人間は、その本性を露わにするものかもしれない。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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