日産が満を持して投入、EV「リーフ」の実力

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 それでも普及に向けたハードルは高い。リーフは1回の充電で200キロメートルの走行が可能だが(JC20モード)、走行中“電欠”する心配は残る。また「さらなる低価格化には、バッテリーの進化が不可欠」(関係者)だ。現状の技術では、補助金や量産効果を考慮しても、“高価なセカンドカー”で終わる可能性もある。

門田氏は「1日の利用距離が80キロメートル以下のような一般ユーザーなら、EVは十分に使える」と反論する。今回日産は、携帯電話などを通じてバッテリーの管理・充電やエアコンの遠隔操作ができるシステムも構築。EV特有の加速性能を含め、クルマの新しい価値の提案を試みる。

「先行者利益を保てるのは、2~3年。その間にお客様の利用シーンを見極め、さらに先を行く」(門田氏)。ハイブリッド車でトヨタの独走を許した日産にとって、EVは数少ない巻き返しのチャンスだ。

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(並木厚憲 =週刊東洋経済2010年12月11日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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