ビジネスチャンスを狙って起業してほしくない--牧野正幸・ワークスアプリケーションズCEO(第5回/最終回)

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--あとどれくらい経営に携わるおつもりですか。

日本はまだまだ情報投資にコストをかけすぎています。われわれの事業そのものがなくなったらIT業界はよくなりませんし、日本の大企業が困りますからあと10年は絶対にやりますよ。少なくとも世界3位には必ず入ります。

ERPは業務に対する網羅性と利便性を上げていかなければならないので、どれだけ優秀な人間がどれだけ時間をかけて製品を作れるかが勝負になります。要は、研究開発費の高いところが勝つんです。

われわれが人事ソフトでトップに立ち、ここ1~2年で会計ソフトもトップになるだろうというところまで来たのも、日本でいちばんこの分野に研究開発費を投資しているからです。当社は200億円の売り上げのうち70億~80億円を研究開発として投資していますが、他社ではせいぜい1億円か2億円しか使っていないでしょう。

今後目指すのは、アジアのトップです。ヨーロッパや北米の1位は私達が頑張っても揺らぐことはないので進出するつもりはありません。日本およびアジアを中心に売り上げ1000億円超えを実現すればビッグ3になれます。

また、アジアはビジネスの面だけでなく、人材発掘の面でも重要視しています。今は各国のトップ大学出身者しか採用していませんが、最終的に社員の半分は外国人にしたいです。特に優秀なエンジニアはアジアに多い。

公用語が英語になったとしても、エンジニアの英語は通じるので当社は困りません。研究拠点もエンジニアが働きたい国に置けばいいと考えていますし、マネジメントも明確でシンプルな方向性さえ出せば、グローバルで通用すると思っています。

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