ホンダ、「グレイス」で埋める空白の6年

小型セダンの投入で弱点克服なるか

小型セダンの領域に新しく投入する「グレイス」。月間販売目標は3000台

弱点領域であるセダンの攻略なるか――。ホンダは12月1日、フィットの派生車種となる小型HV(ハイブリッド)セダン「グレイス」を発表し、同日から販売を開始した。13年12月の小型SUV(スポーツ多目的車)「ヴェゼル」以来、新車投入はほぼ1年振りとなる。

ホンダは売れ筋のスモールコンパクトと呼ばれる領域に「フィット」や「スパイク」、「フリード」など、多様な車種を展開している。ただ、セダンでは10年ぶりに刷新して11月に発表した高級車「レジェンド」とアッパーミドルクラスの「アコード」だけ。小型セダンの領域では2008年7月に生産が終了した「フィットアリア」以来、6年以上の空白があった。今回、グレイスがこの空白を埋めるべく投入された。日本本部長の峯川尚専務執行役員は「日本市場は大半が軽自動車とスモールコンパクト。われわれとしては、ここにセダンのニーズがあると考えている」と語った。

発売時期は6カ月遅れ

今回の新車投入で、昨年からフィットやヴェゼルで拡充してきた小型車のラインナップが整う。グレイスは今年初めから、インドやタイなど新興国8か国で「シティ」として順次販売を開始している。他国では、ガソリンやディーゼル車もあるが、日本の展開はHV専用モデルのみとなる。

HV車に絞り込んだのは、「日本ではHVへの志向性が強くなっている。5ナンバーで3ボックス(4ドアで独立したトランクがある車種)のHVセダンが求める方がかなりいた」(本田技術研究所の広瀬敏和・開発責任者)という市場分析の結果に沿ったもの。開発では、低燃費と広い室内空間の両立をグレイスで目指し、燃費はHVセダンでは最高となる1リットル当たり34.4キロメートルを実現。トヨタのHV「プリウス」や「アクア」、「カローラアクシオ」などに流れている顧客層や、年数の経過したセダンを乗り続けているユーザーの買い換え需要を喚起したい考えだ。

もっとも、グレイスは今年6月に発売される予定だった。それが半年遅れとなったのは、昨年9月に発売した新型のフィットをはじめとする主力車種で相次いだリコール(回収・無償修理)が原因だ。

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