調達対策だけでなく交渉カードを使う必要も

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 9月に尖閣諸島で中国漁船衝突事件が起きると、中国の日本へのレアアース輸出制限は一段と厳しくなる。11月15日現在、原料購入メーカーの情報によれば、中国から日本へのレアアース輸出は止まったまま。現地で輸出認可が降りて、通関手続きも終わっているのに船が出航できない状態だという。

希土類磁石で首位の日立金属とほぼ並ぶ生産占有率を持つ信越化学工業は、「レアアースの調達や使用量削減に努力しているが、現状では来年3月までが限度。それ以降は不透明」と予測する。

レアアース対日供給は中国のさじ加減にかかっている。輸出が再開され、数量逼迫は限度とされる来年春までに解消されている可能性が高い。ここ1~2週間で輸出再開ということも十分に考えられる。ただ、もし11月15日段階の状態が続くと、11年春ころには、「大手自動車メーカー、ハイブリッド車減産へ。希土類磁石の調達難航で」という新聞記事の見出しが躍るかもしれない。

希土類磁石に関しては、中国の狙いは貴重なレアアース資源をそのまま輸出するのではなく、日本メーカーに希土類磁石を現地生産させることだろう。希土類磁石の生産をコントロールできれば、中国は電気自動車、ハイブリッドカーに代表される省エネ製品で世界的な主導権を握ることも可能になる。「中国で希土類磁石を現地生産すれば、生産ノウハウの流出は必至。そこまでして希土類磁石生産を続ける意味や国益があるのか」と苦渋の胸中を明かすメーカーもある。

日本も交渉カードを

今回のレアアース問題を契機に、中国に友好的な経済界でも中国に特定の物質を依存する危機意識が高まっている。日本はどうすればいいのか。まずはレアアース調達の多様化である。すでに米国のマウンテン・パス鉱山では、かつて掘り出した、レアアースを含んだ鉱滓をあさっているといううわさもある。中国の安売り攻勢で休止しているマウンテン・パス鉱山の11年操業再開情報もある。カナダ、モンゴル、ベトナム、カザフスタンにもレアアース資源があり、操業再開や探鉱の動きがある。

ただ、新規の鉱山開発には5年以上かかるとみられ、中国にレアアースを依存しなければならない日本にとって、「ここ1~2年が厳しい時期」(中村教授)だ。

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