現実に絶望する人がメタバースに夢を託せる理由 生まれる条件次第で格差生む「親ガチャ」に抗える

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しかし、テキストや写真、動画くらいでは、ユーザーの滞在時間はなかなか伸びない。起きている時間、ずっとフェイスブックやインスタグラムを見ているわけではないのである。どうしたらユーザーに画面を見続けてもらえるか、その解答が、メタバースというわけだ。

なぜならメタバースは、デジタルで構成された空間の中で生活する社会だからである。

メタバースの時代、メディアへの接触時間は、実質的に朝起きて夜寝るまで、覚醒している時間すべてとなる。長時間アテンション(注意)を保ち続けることができる。当然、広告枠もいくらでも増やすことが可能だ。

フェイスブックだけではない。今、インターネット業界全体がユーザーの可処分時間を奪い合っている。

ネットフリックスの敵はフォートナイト

2018年に、ネットフリックス(Netflix)の共同創業者でCEOのリード・ヘイスティングスが株主向けにこう言った。「ネットフリックスの敵はHBOのような動画サイトではない。『フォートナイト』だ」と。

ネットフリックスは動画配信サービスだが、ユーザーの滞在時間が収益に変わっていると考えると、競合しているサービスは動画サービスだけではなく、ゲームサービスも競合になってくるわけだ。

どうやったら長時間サービスを利用してもらい、アテンションを獲得し続けられるか。

ゲームはその点で言えば、かなりの長い時間を利用者が使っている。しかし、メタバース時代になれば、メタバースの中でゲームも動画も楽しむようになる。

2.どうしようもない現実からの解放

マーク・アンドリーセンという世界的に有名な投資家がいる。投資家になる前はIT技術者でインターネット初期にブラウザ(モザイク、ネットスケープ)を開発したことでも知られた、シリコンバレーを代表する伝説的な人物だ。その彼が2019年に「VRはARの市場の1000倍大きくなると見ている」と発言して話題になった。その後、彼がパートナーを務める投資会社アンドリーセン・ホロウィッツはロブロックスに投資した。

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