「ゼロコロナ」徹底の中国でオミクロン爆発の実態 武漢以来の最高記録、クビが飛んだ官僚が続出

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(中国全土を見ると)中国本土と香港の往来が最も多い広東省深圳市が、最初に(オミクロン変異株の)感染拡大地域となった。2月12日以降、深圳市では新規感染者数が「ゼロ」の日がなく、最初の2週間の新規感染者数は1桁で推移していた。ところが2月末になって、感染者数は突如2桁に上昇した。

遠く離れた吉林省は、最終的に嵐の中心となった。2月28日、延辺朝鮮族自治州琿春(こんしゅん)市では、「検査をするべき」人たちの中から、PCR検査の検体採取で陽性と診断された人が1人現れた。後にそれはオミクロン変異株の1つであるBA.2に感染したものであることが確認された。ロシアと北朝鮮の国境にある人口20数万人の小さな市は、3月1日に直ちにロックダウンを宣言した。

吉林市と長春市で大規模感染が発生

しかしオミクロン変異株はすぐに吉林省内全体に波及し、吉林市と長春市で大規模感染が発生した。吉林市では3月3日に感染者1人と無症状感染者3人が報告され、3月9日に新規感染者数は283人となった。武漢市を除いた中国本土において、吉林市は2020年以来1日の新規感染者数が200人を超えた、初めての都市となった。

その後も引き続き増加し、3月12日には新規感染者数は1268人になった。長春市では1日の新規感染者数が3月11日に100人を超え、翌日には873人になった。

中国全土の状況に目をむけると、3月1日~17日までに、27の省で感染が拡大した。福建省、遼寧省、陝西省、河北省、甘粛省など10以上の省それぞれで200人以上の感染者が確認された。中国全土で累計2万5420人の陽性者が報告された。感染者数においても、流行の範囲においても、武漢市での感染拡大以来の最高記録を更新している。

「早期発見、早期報告、早期隔離、早期治療」に重点を置き、地区別の封鎖管理、人流の遮断を主な手段とする中国の「ゼロコロナ」戦略。実施から2年後になぜ最大の難関に突然ぶつかったのか。>>記事の続きはこちら

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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