仕事の効率を上げる「PCスーツ」の正体 気になるコストパフォーマンスは?
スポーツメーカーが、なぜデスクワーク用の製品を? と、いぶかしく思われるだろう。実はそれは、ブランド立ち上げのルーツに関わるという。もともと、 オーストラリアのスキー選手ブラッド・ダフィーが、飛行機での長距離移動による疲労を軽減するために開発したのがSKINSというブランド。今回のPC スーツは、ブランド開発時とより近い目的のためにつくられた製品ということになる。
「RY400はもともと、アスリートの方が運動後の負担を軽減するためのウエアとして展開していたもの。しかし昨年当社が大々的に実施した調査では、アスリート以外の方のニーズがより強く浮かび上がってきた。これが、今回『PCスーツ』と銘打ち、デスクワーク用に打ち出した大きな理由」と、デサント・セールスプロモーション統括部の加勇田雄介さんは説明する。
加勇田さん自身、前職であるIT系企業の経験で、デスクワークの疲れに悩まされていたという。「体を適度に動かしたほうが疲れにはいい」とわかってはいるものの、当時は夜中に帰って寝るだけの毎日。休日も意志に反して体が動かず、運動をするどころではなかった。そんな自身の経験から、ビジネスパーソンにこそ、疲労回復のためのウエアの潜在ニーズが高いのでは、と直感。そしてアンケートをとってみると、狙い通り、自分と同じような状況を多くのビジネスパーソンが抱えていることが明らかになった。
運動をする時間はなかなかない
アンケートによると、疲労を感じたことのあるワーカーは87.6%。また、疲労を軽減するために行った対策で最も効果のあったものとして「定期的な運動」を挙げた人が58.8%。しかし一方で、40%の人が「帰って寝るだけの生活」と、運動の効果を実感していながらも、結果として何もできなかったり、運動の習慣が定着していなかったりという状況であることが分かった。
「PCスーツでは、デスクワークでの負担をデスクワーク中にとってあげることで、身体の負担を軽減する。また適した着圧により、筋肉をサポートするため、デスクワークにありがちな不調にも働きかけることができる」(デサント・アスレチックブランド統括部 喜岡康一課長)。
デスクワークに限らず、飲食店など立ち仕事でのニーズも高まっているという。そのほか前述のように飛行機での移動時に身につけると、疲労回復を早めるほか、エコノミー症候群の予防にもなる。
就寝時に着ることでも、疲れをとる効果がアップする。あまり知られていないものの、多くのスポーツ選手もリラックス時に着用しており、プロ野球の鳥谷敬選手やバレーボールの栗原恵選手などが活用しているという。
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