※3 ゲームが青少年に与える影響への配慮が求められるようになって始まった制度。NPO法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構(CERO)が独立した運営を行っている
子どもが対象年齢を無視してゲームを購入したり遊んだりしても罰則はありませんが、学校に寄せられるゲームトラブルの多くが、この「年齢別レーティング」を無視した状況下で起こっています。ゲームを与え、許可するのは家庭の責任ですよね。
つまり、ゲームを購入し、与え、遊ぶことを許可している「家庭の問題」を学校内で対処してほしいと言われているわけです。それこそ「無理ゲー」です!
なので、僕は保護者会などの場で「オンラインゲームをめぐるトラブルは、家庭同士の問題です。学校側は介入できません。どうぞ、当事者間で話し合って解決を目指してください」と明言しています。
――ゲームを許可したものの、ゲーム依存を懸念するご家庭も多いです。保護者はどう関わっていけばよいでしょうか。
お子さんにスマートフォンやパソコンを買い与える際、家族でルールを作るのが一般的になってきました。このとき、一方的な「大人の都合」だけでなく「子どもの希望」を取り入れ、両者で合意形成を目指すことが有用だといわれています。
ゲームも同様に、家族間での「契約」としてルールを定めることが大事。とくに以下の5つが話し合いのポイントとなります。
(2)場所:自宅外で遊んでよいかどうか
(3)内容:どのようなゲームなら遊んでよいか
(4)金銭:課金を認めるかどうか
(5)オンライン:オンラインで仲間と遊んでもよいかどうか
まずは「時間」。帰宅から就寝までの約6時間の中で、「遊んでもよい時刻帯・時間」を決めることは大切。これを定めないと、食事の時間やベッドの中でもやりたくなってしまいます。
自宅外で遊んでもよいか、親の目が届く範囲でならよいかなどを「場所」も話し合って決めましょう。
「内容」は、年齢別レーティングは意識したいです。「ほかの子もやっているから」と認めてしまうと、大人が内容を把握できないゲームで遊ぶことになります。
「金銭」は要注意。あらかじめ課金の有無を取り決めておかないと、なし崩し的に課金が進んでいきます。
「オンライン」は、先ほど説明したようなトラブルがたくさんあるので、リスクについて話し合ったうえでルールを定めましょう。
安全に遊べる「枠」を設定することで、初めて「安心」が生まれます。親子で定めた契約があればこそ、与えた側・与えられた側の責任が明確になり、互いの権利を尊重し合おうという関係でゲームを楽しむことができるのではないかと考えます。
教員も、保護者会などでリスク情報を共有したり、ルール作りの有用性を伝えたりすることはできるのではないでしょうか。
「リアル」とつなぎ、「体験」と捉える
――ゲームをポジティブに活用する方法や働きかけなどはありますか。
ゲームを手放しで推奨することはしません。僕は「読書」や「野外体験」の楽しさや喜びを知っています。そのうえでゲームも楽しんできました。先に「ゲームで得られる快感」を覚えてしまうと、忍耐力の必要な体験や、五感を使って手間をかけて楽しむ体験よりもゲームが優先されがちです。キャンプに行ってもゲームをしている子を見かけ、残念に思ったこともあります。

















