「イッテQ!」「ポツンと一軒家」が密かに失速のワケ 「日曜8時」の人気2番組に何が起きたのか

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各局が力を入れる『日曜8時』枠

視聴率急落の原因となった裏番組や新メディアの台頭、コンプラ強化などの立ちふさがる障害。しかし『イッテQ!』に関しては、コロナの収束後に復活が期待できそうだ。

「イモトさんやみやぞんさんなど、ネタ番組や賞レースではチャンスをつかめなかったようなタイプを発掘して、育てるのがうまいですからね。コロナが収束すれば、“第2のイモトオーディション”など、新展開を仕掛けてくると思いますし、同番組ならヒット企画を必ず生み出してくれると思います」(ペリーさん)

西条さんも今後にこう期待を寄せる。

「苦戦の理由となっている、海外ロケが再開できれば復活は期待できます。『ポツンと~』に関しては番組名がコンセプトになっているので大幅なテコ入れは難しく、今後は今の安定した視聴率をいかにキープしていくかという方向になるのでは」

在宅率の高い『日曜8時』は、テレビ業界を盛り上げるカギになると、前出のテレビ局関係者は語る。

『世界の果てまでイッテQ!』に出演する宮川大輔とイモトアヤコ(写真:週刊女性PRIME)

「昭和の時代にはTBS系『8時だョ!全員集合』とフジ系の『オレたちひょうきん族』が“土曜8時”枠でしのぎを削り、ブームを巻き起こしてきました。民放では『イッテQ!』の一人勝ち状態だった“日曜8時”枠で、『ポツンと~』が逆転する健闘を見せたことで、TBSは今年の正月特番で『イッテQ!』など人気番組を抑えて、同時間帯トップに輝いた『バナナマンのせっかくグルメ!!』を放送するなど、各局とも同時間帯に力を入れた番組を放送しています」

前出の西条さんも今後の“日曜8時”にこう期待する。

「数年前までは中高年の視聴者を意識した番組ばかりでしたが、最近は各局若い視聴者を狙った“コア視聴率”対策で、いろいろ試している印象です。フジテレビも1990年代には『ダウンタウンのごっつええ感じ』などお笑い色の強いバラエティーも放送していましたし、他局からも人気番組が出てくるかもしれません」

日曜日の夜に起きていた異変が、テレビ業界が盛り返すきっかけになるかも?

ペリー荻野
時代劇研究家、コラムニスト、ラジオパーソナリティー、放送作家。愛知教育大学在学中に中部日本放送でラジオパーソナリティー兼放送作家として活動を開始
西条昇
江戸川大学教授。『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』(TBS系)など放送作家として活躍。お笑い雑誌監修を手がけたほか、お笑い評論家として活動
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