S&P500種株価指数の年初来下落率が新型コロナウイルスの感染拡大で急落した2020年3月以来最悪のペースとなる中、投資家は連邦公開市場委員会(FOMC)が16日に着手する可能性のある利上げに対処する必要に迫られている。
100年で最悪のパンデミック(世界的大流行)や、米国の世論を大きく分断した大統領選挙とその結果に不満を持つ人々による米議会議事堂襲撃事件に直面しても、米株式相場はここ2年間に何とか上昇してきた。欧州では今、第二次世界大戦後最大級の地上戦が繰り広げられており、米国のインフレ率は1980年代以来の高水準にある。
S&P500種は20年3月23日の底打ち以来、まだ90%近く上昇した水準にあるが、米金融当局が利上げを準備する中にあって、米国株が勢いを失いつつあるか考える価値はある。FOMCによる利上げ開始時の米株式市場について以下の通り歴史を振り返ってみる。
利上げの歴史
歴史的にみて、米株式市場は利上げ後にボラティリティー(変動性)が高まりがちだ。しかし、それは強気相場の終わりを意味するわけではない。LPLファイナンシャルによれば、過去8回の利上げサイクルでS&P500種は初回利上げから1年後に毎回上昇していた。
業種別パフォーマンス
過去30年間でFOMCによる明確な利上げサイクルは4回あるが、どれも株式市場に損害を与えるものではなかった。テクノロジー株は利上げ加速観測で今年に入り波乱の展開だが、ストラテガス・セキュリティーズによれば、通常こうしたサイクルで好調なパフォーマンスを見せる業種の1つ。ただ、全体的には4回のサイクル全てでアウトパフォームしたセクターはなく、市場のリーダーは毎回違った。