起業家が「資金調達」で直面する2つの大きな壁 個人投資家やVCから出資を受けるためのコツ

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投資家はそれぞれ投資目的が違い、慈善事業の感覚で投資する人もいれば、リターンありきで投資する人もいます。

ここがズレるとトラブルになりかねません。5年で事業を売却し、リターンをとりたいと思っている人と、上場なども含めた可能性を考えて、長期投資を見据えている人とでは、僕や事業に求める要素が異なるのです。

出資を募るようになって実感したのは、投資家にはいろんな人がいるということ。金額面では、例えば100万円出資してもらう場合、何億円もある中から100万円を出す人と、いろいろかき集めて100万円用意する人とでは、金額は同じでも、重みが違います。

出資を受ける僕としても、重みのある100万円には責任を感じますし、本当に出資して大丈夫なのかを入念に確認しなければなりません。

投資に対する考え方もさまざまです。

とくに最近は、創業して間もないベンチャー企業に投資するエンジェル投資がアメリカで増えて、その流れで日本でもベンチャー投資に興味を持つ人が増えました。

ベンチャー企業とエンジェル投資家を結ぶ、「FUNDINNO」「CAMPFIRE Angels」「イークラウド」といった株式投資型のクラウドファンディングサービスやサイトも増えつつあります。

これは、ベンチャー企業側から見るとありがたい変化なのですが、投資が一般化することによって、投資のリテラシーが高くない人が増えてしまうのも事実。

投資は貯蓄ではないので、出資したお金が減ることがあります。最悪、ゼロになることもあります。そのリスクを考えると、出資は「お金を出せばいい」「出してもらったら成功」といった単純な話ではありません。投資家は当然、出資先を慎重に選ぶ必要がありますし、出資を受ける僕らベンチャー企業も、投資家をしっかり見極める必要があるのです。

「価値観はバラバラ」を前提に伝え方を工夫する

価値観という点では、事業の内容や意義をどう評価するかが大きく分かれるのも投資家の面白いところ。

パンフォーユーを例にすると、「事業を通じて地域に貢献する」という点は、だいたいわかってもらえます。

しかし、そのための手段としてパンをテーマとするところや、「新しいパンの経済圏をつくる」事業であるといった点は、多くの投資家が「どういうこと?」となります。人の価値観はそれぞれですから埋められないギャップはあります。そこはあらかじめ想定しておかなければなりません。その上で、どうすれば伝わるか、価値を感じてもらうためには何を伝えれば良いかを考える必要があるわけです。

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