玉塚社長、「挫折から再起」の全てを語る! ユニクロでの挫折、再起誓うローソン

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――どうしてリヴァンプからローソンへ行ったのか。

5年ほど前、新浪さん(新浪剛史・サントリーホールディングス社長。当時はローソン社長)に、「ローソンはすごい可能性を持っている。けれど、自分だけではなかなか目が行き届かなくなってきたから、手伝ってくれないか」と言われた。「いいですよ!リヴァンプの仕事として!」って答えたら、「それはだめだ。(リヴァンプを辞めて)来い!」と言うんです。でも僕も自分の会社があるから、行けるわけないじゃない。そこから7~8カ月くらい、ずっとそういうやり取りをした。

決してリヴァンプを否定するわけではないんだけれど、あのときに僕がやっていた仕事の風景っていうのはこんな具合。月曜はドーナツ屋に行って、火曜はハンバーガー屋行って、水曜は化粧品屋行って、木曜はIT企業に行って、金曜はまた別のところ。20社くらいの役員をやっていて、監督みたいな仕事。なんでこんな損益なんだ、なんでこれができてないんだ、原価上がってるじゃないか、と。ワーワー数字ベースで指示をするんだけど、自分が現場に立っていない。

もちろんそういう仕事も必要だが、僕はまだ当時40代だった。この仕事はおじいちゃんになってからでもできる、このままだと足腰が弱るな、っていう思いもすごくあって。僕は小売りが大好きだし、新浪さんも尊敬していた。だからここでもう一度地に足を着けて、徹底的に現場に入り、足腰を鍛え直そうと思った。

リヴァンプはたまたま澤田と2人で共同代表をやっていた。澤田にローソンのことを説明したら、「ふざけんなよ、バカか」って。でも最終的に僕はローソンの仕事をやろうと決めた。

チャンスとピンチが混在するコンビニ

玉塚氏にローソンを託し、新浪氏はサントリー社長へと転身した(7月の発表会見で。左は佐治信忠会長。撮影:鈴木紳平)

――実際にコンビニ業界に入ってみてどうか。

 一言でいうと、大きなチャンスと大きなピンチが、混在している。チャンスは高齢化や核家族化が進んで、みんな忙しくなっていく中、近所で質の高い買い物ができる利便性だ。ピンチは業界の競争が激しいこと。僕もいろんな業界を経験してきているけど、これだけえげつない競争環境はない。たとえばここにローソンがあって、セブン‐イレブン・ジャパンとファミリーマートがあるとする。すると「あのオーナーは弱いぞ、ぶっ潰せ!」と、殺し合いみたいなことをやっている。でもここで正しい舵取りをしていけば、ローソンというのは非常に大きな可能性を持っている。

出店数もものすごい多くなり、原材料高騰や人手不足、光熱費の上昇など、加盟店の状況が非常に厳しくなっている中、競争に勝ちながら、しっかりと収益をあげる成長モデルを維持する。それはチャンスでもあるが、少しでも打つ手を間違えたり、少しでも緩いマネジメントをしていたら、転げ落ちる。非常に難しい時。巡り合わせだけれど、そういうタイミング(で僕が社長に就くことが)多いですね。

 セブンへのライバル心はもちろんある。やっぱりここまで店が増えると、お客様はセブン行ったり、ローソン行ったりするわけです。でも今は現実として、セブンに行く回数の方が多いんですよ。これは事実。

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