ファーストリテイリングの今期は踊り場か? 国内ユニクロの秋冬物不振が響き4期ぶりの減益に
そこで今期は、05年まで商品戦略を担っていた中嶋修一氏(FR傘下のジーユー前社長)と中島徹郎氏(同キャビン前社長)を商品戦略の中枢に呼び戻し、抜本的に商品構成をテコ入れする。ただ、新たな戦略の商品が店頭に並び、消費者に浸透するまでには時間が必要だ。現状では「ヒートテック」や「新ウルトラライトダウン」など、実績のある商品で収益を確保していくこととなりそうだ。
ただ「ヒートテック」を中心に、真新しさを演出して集客することは容易ではない。また採算面でも課題はある。同商品は消費者にある程度行き渡ったと指摘する声も出ており、値引きせずに前期並みに十分な粗利益を確保したまま販売できるかは不透明だ。
また、新たな成長市場と位置づけている中国・アジアを中心とした海外でのユニクロ事業も、出店は22店(前期は21店)の計画にとどまっている。中国・アジアの店舗は売り上げが好調で、潜在的な成長力は高いものの、店長教育など人材面が追いついていないためだ。
「海外出店が加速するのは12年8月期以降」(柳井社長)で、海外事業の成長が軟調な国内をカバーするという水準にまでは達していない。
以上から、「東洋経済オンライン」では、今期の業績は踊り場に差しかかるものと考える。なお、来12年8月期以降は、海外出店が本格化する見通しもあり、再び成長方向に向かう可能性は高い。
(鈴木良英、撮影:梅谷秀司=東洋経済オンライン)
《東洋経済・最新業績予想》
(百万円) 売 上 営業利益 経常利益 当期利益
連本2010.08 814,811 132,378 123,755 61,681
連本2011.08予 856,000 113,500 108,500 51,000
連本2012.08予 900,000 120,000 115,000 57,500
連中2010.02 470,970 99,885 96,516 55,356
連中2011.02予 473,000 71,500 69,000 30,000
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1株益¥ 1株配¥
連本2010.08 606.0 230
連本2011.08予 501.1 170
連本2012.08予 564.9 170-200
連中2010.02 543.9 115
連中2011.02予 294.7 85
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