LINEはなぜ海外でブレイクしないのか 突然の上場見送りに見る”不可解”

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ただしこれらのサービスはほぼ国内限定で、提携するのもほぼ国内企業。国内向けに新事業を“乱発”するが、今後の成長機会を考えると、出遅れがより目立つのは海外展開のほうだ。

LINEが従来開示してきのは登録者数のみ。今回初めて、実際に使っている月間利用者(アクティブユーザー)数を公表したが、その数は1億7000万人。登録者5億6000万人との差は大きい。フェイスブック傘下の米国「ワッツアップ」の6億人、中国テンセントの「微信」の4億3820万人と比べ、かなり水をあけられた。

森川社長は「LINEの月間利用者数が少ないとは思っていない。今後は東南アジアのみならず欧州、北米でも伸ばしたい」と力を込める。

が、環境は甘くない。強敵ワッツアップを前に苦戦する米国では、現地上場で知名度向上を狙う作戦がお預けになった。微信が支配する中国では、政府のネット接続制限で7月からLINEが使えず、思わぬ足止めを食らう。世界の競合アプリと伍して闘うには、自社単独では限界が見えてきたのかもしれない。

週刊東洋経済10月25日号(10月20日発売)「核心リポート04」を転載)

長谷川 愛 東洋経済 記者
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