東武、大当たりした「ホテルガチャ」企画の裏側 担当者がカプセルに詰めた「認知度向上」の戦略
12月に開催した理由について、ホテル事業戦略部の荻野敦啓さんは「宿泊やレストランはすべて2人分のプラン。クリスマスシーズンに大切な人と東京ソラマチに来てもらって、ワクワクする気持ちで年越しをしてほしいと考えた」と語る。そのうえで「1カ月で頑張って売りましょう、という感じだった。12月は商業施設の集客が高まるので、ホテルガチャを置いたら目を付けて引いてもらえるのでは、と考えたが、実際は整理券を配るレベルの盛況で想定外だった」と、需要がまったく読めなかったことを明かす。
「当たり」か「大当たり」しかない
東武ホテルグループはこの数年で新規ホテルを相次いで開業させた。マリオット・インターナショナルと提携するホテルも、既存の「コートヤード・マリオット銀座東武ホテル」のすぐそばに2020年7月、「ACホテル・バイ・マリオット東京銀座」がオープン。北海道の札幌東武ホテルは同年、「フェアフィールド・バイ・マリオット札幌」にリブランドした。
ホテルガチャ開催を知らせるプレスリリースで「ACホテル・バイ・マリオット東京銀座の朝食付きプレミアムルームや、日光・中禅寺金谷ホテルの宿泊券、東京スカイツリー天望デッキ内にあるSky Restaurant 634(musashi)のディナー食事券など」と例示してあるプランはもちろんプレミアム感が際立つ。が、そのほかの施設もすべて通常料金なら5555円以上に相当する宿泊・食事を用意していて“はずれ”があるわけでない。もともとは1人分として検討していたといい、2人分のプランになった点でも割引率の大きさがうかがえる。
では500個の内訳はどうなっていたのか。詳しい配分は明かせないが、レストランより宿泊のプランの比率が圧倒的に高く、施設単位でみるとそれぞれ同じくらいの割合で入れてあったという。東武の広報も「『はずれ』か『当たり』か、じゃないんです。『当たり』か『大当たり』なんです」と声を大きくして説明する。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら