今さら聞けない「デザイン思考」基本の5ステップ 代表的な2つの「フレームワーク」を図で解説
最初は「共感(Empathize)」です。顧客の思いや痛みを共に感じ入るところからスタートするということです。こうしたステップは、従来のロジカル思考の戦略策定手法には見られなかったもので、まずここから始まっているところが、顧客体験に根ざすデザイン思考の肝です。
この共感のためには、顧客と一緒に体験したり、観察したり、深いインタビューを継続して行なったりすることによって、顧客の感情に寄り添い、そして顧客の本質的なニーズを発見していくのです。
「問題定義」とは?
次が「問題定義(Define)」で、顧客中心の視点から問題を設定します。共感ステップで感じ取ったユーザーの思いに応える課題として定義します。
そして、「創造(Ideate)」です。設定した問題の解決策を考えます。ここでは、制約を設けず、ブレインストーミングなどでどんどんアイデアを発散させていきます。
ここから先が、デザイン思考の固有のステップである「プロトタイプ(Prototype)」から「テスト(Test)」です。創造ステップで出してきたアイデアを無理に1つにまとめるのではなく、まずはいくつかプロトタイプの形で実行してみるということです。プロトタイプでテストをすることで、はじめて本当の解決策に到達するからです。
したがって、プロトタイプで大切なのは、手軽にやってみるということです。手軽に短時間に低コストで実施しないことには、いくつも試行錯誤ができないからです。たとえば、商品コンセプトを絵コンテで見せてコメントをもらう、トップ画面だけつくってみてフィードバックをもらう、といったレベルでどんどん実施してみることです。
実は、このあたりの試行錯誤による問題解決という流れは、アメリカのエリック・リースによりスタートアップのイノベーションサイクルとして提唱された「リーンスタートアップ」にも通ずるものです。
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