アルファロメオ新SUV「トナーレ」は何が斬新か 車界初「NFTとブロックチェーン」採用の狙い

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なお、アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)や、レーン・センタリング(LC)、プリクラッシュブレーキ(緊急自動ブレーキ)を始めとした運転支援・安全機能は、最新モデルらしく現時点で考えられるほぼすべての機能が備わっている。

自動車界で初採用というNFTテクノロジーは、何に使われるのだろうか。その答えは、「履歴の記録」にある。

アルファロメオは、NFTデジタル証明書による固有のリンクを車両に持たせ、購入時に車両認証を行い、その後の整備履歴などをブロックチェーン上に記録していくのだ。ブロックチェーン上の情報が更新されるため、履歴の改ざんは不可能となる。アルファロメオでは、これを中古車市場での残存価値の維持につなげる狙いだ。

日本仕様は未発表だが500万円台~?

伝統を踏襲しながらも初めてづくしの次世代アルファロメオ、トナーレ。今回のワールドプレミアでは、3つのパワートレインとともに「Super」と「Ti」、2つのレギュラーバリエーションと発売記念特別仕様が発表された。

基本となるグレードがSuperで、スポーティな「Sprintパック」も用意される。上位グレードのTiは、「エレガンスと傑出したキャラクターをさらに引き上げる」とうたわれ、こちらにはパフォーマンスとスポーティを追求する「Veloceパック」が設定される。

まずは、4月にオンラインで発売記念エディション「EDIZIONE SPECIALE」の受注を開始するというが、これは本国での話。日本国内での発売は、それ以後になるだろう。また価格も未発表だが、ライバルの価格帯を見ると500万円台がスタートプライスになるのではないかと考えられる。

輸入車SUVといえばメルセデス・ベンツ、BMW、アウディの“ジャーマン3”が定番だが、最近ではスウェーデンのボルボや英国のジャガー、そしてイタリアのマセラティも売れている。比較的買いやすい価格と取り回しのしやすいサイズのSUVとなれば、トナーレも日本でヒットする可能性は十分にあるだろう。かつてセダンの「156」がヒットしたように。

木谷 宗義 自動車編集者

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きたに むねよし / Muneyoshi Kitani

1981年、神奈川県生まれ。大学卒業後、専門学校で編集を学び、2006年よりフリーランスの編集者/ライターとしてキャリアをスタート。取材・執筆、編集、ディレクション業務のほか、当初よりメディア運営に携わる。現在は自動車編集者として、初心者向けからマニア向けまで幅広く自動車コンテンツの制作やプロデュースを行う。type-e.inc代表取締役。

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