「トヨタのお家芸」見えた2021年SUV戦略の凄み 計画的「フルラインナップ」で全ニーズを網羅
半導体不足などの影響があったかもしれないが、「カローラのSUV」と考えれば、もう少し大きな数でもよかったはず。まずまずと言えるか、微妙な線ではないだろうか。
ランキングをさらに見ていくと、15位に「RAV4(RAV4 PHVを含む)」(4万9594台)、21位に「ランドクルーザーW(ワゴン)」(3万3481台)、33位に「C-HR」(1万8096台)がランクインする。
トヨタに問い合わせたところ、「ランドクルーザーW(ワゴン)」の内訳は「ランドクルーザー(300系)」が約1540台、「ランドクルーザープラド」が約3万0990台とのことだった。「ハイラックス」はタイ生産の輸入車のためランキングには登場しないが、年間販売台数は約9960台だという。
これらトヨタのSUVを、販売台数の順に並べると以下となる。
(2)ライズ:8万1880台
(3)ハリアー:7万4575台
(4)RAV4(RAV4 PHVを含む):4万9594台
(5)ランドクルーザープラド:約3万0990台
(6)C-HR:1万8096台
(7)カローラクロス:約1万7780台
(8)ハイラックス:約9960台
(9)ランドクルーザー(300系):約1540台
こうして売れた数を並べてみれば、ヤリスクロスと「ライズ、そしてハリアーの販売が抜きんでていることがわかる。
ちなみに、ライバルとなる他社ブランドSUVの最上位は14位のホンダ・ヴェゼル(5万2669台)だった。
ヴェゼルは2021年4月登場のため、約9カ月間しか販売されていないだけ不利となるが、もしも通年販売されたとしても、ヤリスクロスやライズには届かなかったのではないだろうか。それだけ、ヤリスクロスとライズの勢いは強いといえる。
マイペースに「計画どおり」
そして重要なのは、それらのモデルの登場した時期だ。ライズは2019年11月、ヤリスクロスのデビューは2020年9月。ちなみに3位のハリアーは2020年6月。
つまり、どれも2019年暮れから2020年にかけて発売開始となった新型モデルが、順当にランキング上位にきたことになる。トヨタとしては「まさに計画通り」という結果なのではないだろうか。
コロナ禍や半導体不足という不測の事態の中、粛々と新型車を予定通りにリリースし、そして予定通りに販売する。このマイペースな姿勢こそが、トヨタの底力だ。とはいえ、カローラクロスの月販5000台ペースというのは、悪くはないが素晴らしいというほどではない。2022年にどのように巻き返すのかに注目したい。
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