恨み・怒りは「持つだけ無駄」と言える納得の理由 不満をぶちまけるのは「一種の快感」だが…

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不運な出来事が起こったとき、それをあきらめて受け流すのは難しい。どうしても不満や怒りが湧いてくる。

不満を言うのは簡単だ。あまりに簡単なので、多くの人は不平不満を言うのが日常になっている。誰かが待ち合わせに遅れた、隣人がうるさい、急いでいるときに限って駐車スペースが空いていない。

不満をぶちまけるのは、一種の快感だ。

ソーシャルメディアを見れば、ありとあらゆる不満が並んでいる。みんなが攻撃的になっている。巻き込まれまいとしても、知らず知らずに影響を受けてしまう。

他人の愚痴を見るうちに、心が少しずつむしばまれ、世の中の悪いところばかりが目につくようになる。

不満というものが、脳にどっかりと居座ってしまうのだ。

不平不満を口にするうちに、あるいは他人の不平不満を見聞きするうちに、どんどん不満が増えてきた経験はないだろうか。

一方、感謝しようと努めるうちに、感謝すべきことが以前よりたくさん見えてきた経験はないだろうか?

不平不満は、簡単で価値のないものごとの典型だ。

不満を言うだけなら誰にでもできる。そして不満に身をまかせるうちに、頭の中に無価値なゴミがたまり、自由に使えるスペースがどんどん減っていく。

一方、感謝に目を向けると…

不満ではなく、感謝に注意を向ければ、世界の見え方はがらりと変わる。

「不足思考」(後悔、ねたみ、将来への不安)がいっぺんに消え、「充足思考」(順調だ、恵まれている、将来が楽しみだ)へとシフトする。自分がすでに持っているリソースや資産やスキルを正しく評価し、存分に活用できるようになる。

この図を見てほしい。

出典:『エフォートレス思考』

足りないものに目を向けると、足りないことばかりが増えていく。逆に、すでにあるものに目を向ければ、心はどんどん満ち足りていく。

感謝は強力な触媒だ。感謝の心は、ネガティブな感情から力を奪う。そして、ポジティブな感情が広がりやすい環境をつくってくれる。

「拡張─形成理論」という心理学の理論によれば、ポジティブな感情はよい影響をどんどん広げる性質がある。

ポジティブな気分が高まると、視野が広がり、新たな可能性に目を向けやすくなる。心が開放的になり、創造性が高まり、社会性が増す。

すると私たちの心身は成長し、知的にも肉体的にもより高いパフォーマンスが出せるようになる。「正のスパイラル」が生まれ、ものごとがうまくいく確率が高まる。

恩恵を受けるのは自分だけではない。

感謝の心は他者に向かい、周りの人たちの心を明るくする。心の重荷が軽くなり、新たな可能性が見えてくる。ポジティブなサイクルが、自分をも他人をも成長させるのだ。

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