「100日後に退職する47歳」大バズりに驚きの裏側 「Twitter漫画」投稿のきっかけは「ボーナス0円」

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エンジニアとマンガ制作は、一見するとまったく関係ないことのように思えるが、意外な共通点もあったという。

「エンジニアとして、いつも納期を意識し、スケジュール管理を徹底してプロジェクトを完遂してきたからこそ、『100日間連載プロジェクト』も中途半端に終わらせずに完走できたと思います。

大体1話描くのに2時間くらいかかるので、働きながら作業時間を確保するのは大変でした。通勤が1時間半弱かかっていたので、朝の通勤電車でネタを考えてネーム(下書き)を仕上げて、昼休みに喫茶店で清書する生活を送っていたんですよ」

TOMEさんがマンガ制作に使っているのは『アイビスペイント』というアプリ。マンガが成功したのは、このアプリのおかげも大きいという。

「紙だったらここまで書けません。デジタルだとアンドゥ(やり直し)がすぐできるので、仕事とも両立できたのだと思います。アプリが高機能なので、使いこなすには多少スキルが必要ですが、新しいツールの習得は仕事で慣れていますから。間接的にエンジニアの経験が役に立ちました」

エンジニア×Webマンガ家の相乗効果を強みに

11月には連載が電子書籍化。現在は、広告の挿絵なども依頼されるようになった。連載当初には予想もしていなかったことだらけだという。

「私の絵は決してうまいわけではないのですが、『妙な味がある』と褒めてくれる人が多いんです。何となく始めた絵の練習のアウトプットがこんなことになるなんて、人生何があるかわからないものですね。

おかげでリアルでも転職先が決まり、本業のほうもポジティブにとらえられるようになったと思います」

Twitterを見た知人からスカウトの声がかかり、再びエンジニアとして会社で働き始めることになった。12月からはTOMEさんの、マンガ制作と二足のわらじを履く生活が始まっている。

「マンガを描くという新たなスキルが身に付いたことは単純にうれしいし、できることが増えたことはキャリアのうえでも有利に働くと思うんです。

エンジニアとの兼業マンガ家というスタイルを確立すれば、自分らしさを発揮できると考えています。『マンガも描けるエンジニア』という掛け算の組み合わせが自分の個性であり、強みだと思えるようになったので。

今回のようにエンジニアならではのネタをマンガにすることもできますし、難しい技術的なノウハウをマンガで易しく解説するのも面白いかなと考えているところです。本業で新しい仕事も始まったので、いろいろな可能性を探りながら、マンガでも新しいことに挑戦していきたいですね」

TOMEさんのキャリアは、エンジニアと異分野の掛け合わせが相乗効果を生んだ好例。さらに、新しいことにチャレンジしたり、環境や場所を変えれば「自分を認めてくれる人」はいくらでもいるということを思い知らせてくれる。TOMEさんの今後の活躍が楽しみだ。

取材・文/古屋江美子 編集/大室倫子

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『エンジニアtype』編集部

キャリアデザインセンターが運営するwebマガジン。「どう創る? これから先のシゴト人生」をテーマに、エンジニアの今後の仕事選択・働き方・スキルアップなどに役立つ情報を配信している。

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