樫野孝人・神戸リメイクプロジェクト代表(Part2)--経済界から首長が出ないと、日本は沈むのでは

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樫野孝人・神戸リメイクプロジェクト代表(Part2)--経済界から首長が出ないと、日本は沈むのでは

■ CEOへの道は、職業としての“社長”を選び、第一線で活躍するプロによるトークセッション。将来、経営層を目指すオーディエンスに、自らの経験とノウハウを語る。

--先日、タリーズコーヒージャパン創業者の松田公太さんが参議院選挙に立候補され当選しました。樫野さんは、衆議院議員や参議院議員として、国政への興味はないのでしょうか。

昨年末、国政へのお声を掛けていただきましたが、お断りしました。アジェンダが違う。

国政では議員が首相を選びますが、地方自治では市民が首長を選びます。直接選ぶという意味では大統領制に近いですよね。また、国会と内閣はほぼ一体運営をしていますが、本来、首長と議会は対等なのでお互いに牽制し合いながらやっていくという点も違います。これから国会議員になるということは、722人いる議員の一人、平社員になることに近いですね。しかも、与党にならないと何もできません。与党になっても政策協議に入れない場合もたくさんあるでしょう。

一方、都道府県知事47人、政令指定都市の市長19人、全国市町村長1727人(2010年4月1日時点)という首長は社長と一緒。街のトップであり、街を経営するので国政とは取り組む仕事が違うんです。もちろん国会議員になって大臣になったり、与党で法律を作りたいという方もいると思いますが、経済人の適性を生かすなら首長じゃないかなと思います。

--なかなか経済界の人たちは立候補しないですよね。

面倒くさいからでしょう。ビジネスをやっていたほうがストレスがないし、その場ですぐ決められますから。

政界は、保守的なルールを作って、よそものを入れない体質なのでハードルが高いしおカネもかかります。でも、経済界から首長が出ないと、日本は沈むんじゃないでしょうか。国会議員も700人中300人くらいは経済界から出たほうがいいと思っています。国会議員の人材構成は組織として異様です。マスコミ、タレント出身者は12%もいて、政治家の二世・三世、官僚、労働組合でほぼ6割を占めています。会社役員が13%いますが、実際は会計士や弁護士といった個人事業主や、親族の会社役員になっている二世や三世も含まれるので、本当の経営者は数パーセントしかいません。

テレビなどで政治について目に触れる機会がかなり増えましたが、裾野を広げるという意味ではいいですよね。

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