サムスン第3四半期予想、約60%減益 スマートフォンの不振が続く

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 10月7日、韓国サムスン電子は第3・四半期(7─9月期)の業績予想が前年比大幅減になると明らかにした。写真は同社のロゴマーク。先月撮影(2014年 ロイター/Stringer)

[ソウル 7日 ロイター] - 韓国サムスン電子<005930.ks>は7日に発表した第3・四半期(7─9月期)の業績予想で、営業利益が前年同期比59.7%減の4兆1000億ウォン(38億ドル)になると明らかにした。スマートフォン(スマホ)部門は利益が引き続き縮小したもようだ。

4四半期連続の減益で、四半期の営業益としては2011年第2・四半期以来の低水準となる。

トムソン・ロイター・エスティメーツがまとめたアナリスト43人の予想は5兆6000億ウォンだった。

売上高予想は20.5%減の47兆ウォン。市場予想は50兆9000億ウォンだった。

サムスンはスマホ部門の短期見通しは不透明だとしており、今年通年の業績は2011年以来の減益となりそうだ。

第3・四半期におけるスマホ部門の営業利益率低下は、マーケティング支出の拡大や平均販売価格の下落が要因。出荷に占めるハイエンド機の割合が低下したほか、旧機種の価格も下落した。

ストラテジー・アナリティクスによると、サムスンは過去2四半期、スマホの世界市場シェアを前年比ベースで落としている。

サムスンは声明で、モバイル事業の「不透明感」は続いているものの、新たなスマートフォンの出荷拡大や、テレビ製品の季節要因的な需要が堅調になる見通しだとした。

半面、半導体部門は堅調。半導体メモリー事業における第3・四半期の利益は、季節要因による需要が旺盛だったことを背景に引き続き改善したという。

第3・四半期業績の最終確定値は10月末ごろに発表される。

軟調な業績予想にもかかわらず、サムスン電子の株価は序盤の取引で2.1%高。利益は第3・四半期に底を打ったとの見方が優勢となったもようだ。

アルファ・アセット・マネジメントのファンドマネジャー、Hong Jeong-woong氏は「営業利益予想を踏まえると、第3・四半期サムスンが在庫解消に取り組んだことがうかがえる。業績は転換期にある」との見方を示した。

HMCインベストメントのアナリスト、グレッグ・ロー氏は、サムスンのスマホ平均販売価格は第2・四半期の301ドルから第3・四半期には224ドルに下落すると予想している。

一方、アップルの7─9月期のスマホ平均販売価格は、「iPhone(アイフォーン)」の新モデル発表効果で、約605ドルと前四半期の580ドルから上昇する(カウンターポイントのアナリスト、トム・カング氏)との見方がある。

ロー氏は、低価格製品の普及でスマホの平均価格は一般的に下落傾向にあるが、サムスンは利益率の低下による影響を製品ライン拡充で補うことが可能とみている。

サムスンはここ数カ月、新型の大型スマホ「ギャラクシー・ノート4」など高価格帯スマホをいくつか発表した。また、より手ごろな価格のスマホ販売も予定しており、アナリストは、10月末までには発表されると予想している。

*内容を追加して再送します

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