「ゴルフGTIパフォーマンス」の魅力とは? ベルリンからプラハへ、製品レビューの旅<2>

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先代のGOLF 6から導入された、バランサーシャフトをシリンダーブロックに組み込んで軽量化したE888型4気筒2リッターエンジンを引き続き採用。ノーマルGTIでは220馬力を4500〜6200回転で発揮するが、”Performance”パッケージ付きは230馬力。実は最大トルクは同じだが、より高回転まで伸びる設定で馬力を稼いでいる。

この程度なら、ほとんどエンジンの違いなど感じることはないだろうと思っていたのだが、実際には”高回転域でのトルクの落ち込みが少ない”ことによる高回転の伸びよりも、3500回転ぐらいからの応答性が、より洗練されて感じられた。GOLF 7 GTI(Performanceではない)であっても、GOLF 6の同型式エンジンに比べると低速域でエンジンの応答性がかなり向上しており、ダルいフィーリングが解消されており、さらにそこから洗練度を上げているという感触だ。

おそらく自動変速のDSGモデルならば、その違いをDSGが吸収していただろうが、マニュアルトランスミッションの広報車では、この違いが明確に感じられた。ありきたりの表現になるが、より低い回転域から(実際の加速がどうかはともかく)エンジンがアクセル操作についてこようとする。

”道がクルマを作る”の意味を実感

アウトバーンを走る

ドイツの道路は市街地が時速50キロ固定、郊外の一般道が100キロ。部分的に130キロの区間もあるが、アウトバーンは速度無制限の区域が多い。旧西ドイツ側は片側三車線、旧東ドイツ側は片側二車線の区間が多かったが、走行ペースに大きな違いは無い。たまにとても遅い車(時速100キロ程度)を抜く、ちょっと遅い車(時速140キロ程度)が追い越し車線を”塞いで”前へと出られない場合もあるが、ドライバーはみな速度制限をキッチリ守り、また無制限の区域では後方を確認して速い車を前に行かせる。

GOLF7 GTI Performanceの場合、アウトバーンの平均的な巡航速度と言える時速140キロぐらいの時、6速でエンジンは2900回転程度。時速100キロになると2000回転を切り始めるので、ちょっとレーンの位置取りを変えたいといった場合でもギアを変えたくなる。

一方、6速で140キロ以上に加速する時のエンジンは、もっともフィーリングが良い回転域へと入り、時速200キロぐらいまでは、安定したとても平和な走行を楽しめる。“安定して平和”とは、余裕を持って会話しながら、周りのクルマの動きにも馴染んで運転できるという意味だ。さすがに時速160キロを越えてくると、遮音性能の高いGOLF7も車内が騒がしくなってくるが、それでも疲れを助長させるほどのものではなかった。

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