リーマン買収から2年、野村の真の国際化阻むハードル《新しい経営の形》

リーマン買収から2年、野村の真の国際化阻むハードル《新しい経営の形》

「海外への雄飛」。それは「顧客との共栄」「調査の重視」と共に、野村徳七翁の創業の精神であり、野村ホールディングスの経営の根幹とされてきた。大阪野村銀行の証券部門が分離する形で野村証券が設立されたのが1925年12月。そのわずか1年3カ月後にニューヨーク出張所を開設したのも、そうした精神の表れと言える。ちょうど、東京渡辺銀行の破綻を機に昭和金融恐慌が勃発した月だった。

そして2年前の2008年9月、サブプライム金融危機の真っただ中で、野村はこれまでとは次元が違う“海外雄飛”の大決断を行う。破綻した米大手証券リーマン・ブラザーズの欧州・アジア部門買収である。破綻からわずか1週間後のスピード合意。日本の証券会社が名門の世界的投資銀行の大半を吸収するという、日本の金融界全体にとっても歴史的な出来事だった。

リーマン化する現場と経営中枢に残る保守色

野村の経営は、その半年前にも大きな節目を迎えていた。97年に総会屋への利益供与事件の責任をとって当時の専務以上が総退陣して以来、11年ぶりの首脳人事刷新。そこで発足したのが、現在の渡部賢一社長兼CEOを頂点とする新体制だ。

それまでの氏家純一、古賀信行の両社長の時代は“守り”を優先するあまり組織の硬直化が進み、閉塞感さえ漂っていた。これを打破すべく、バランス重視を自認する古賀氏が、その決断力と行動力を評価して渡部氏への禅譲を決めた。リーマン買収は、その評価どおりの大仕事と言える。同時に、「変化を自ら作り出す」という就任時の抱負を、渡部氏自身が実行したものでもあった。

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