「ツール・ド・東北2014」、2年目の飛躍 キラキラ丼は「日本一」の味、夢は世界有数のイベントへ
「震災から時間が経つにしたがって、復興という言葉だけで人を集めるのは難しい。近年の自転車ブームが頭にありました。これなら、ダブルで人が集められると。今年は第2回です。昨年より距離を伸ばしたので、日の出日の入りの時間を考えて、この時期の開催になりました」と須永室長は語る。
「応援されてみたい」という気持ちになるイベント
朝早くから、沿道に多くの人が出て声援を送る。大漁旗を振る人、手作りの旗を持つ人、すべての人が「がんばれ~」と大きな声をかけている。サイクリストたちもそれに応えて手を振ったり、ガッツポーズをしたり。
「みんな頑張ってるんだからねぇ」
「すごいよね、この坂道を自転車で登ってくるんだよ」
「わざわざ来てくれているんだよ。応援するくらい、ただだっちゃ」
地元の人たちも笑顔で応援する。まさにキャッチコピー通りだ。
「基本はみんなで作り上げていきたいと言うことなんです。地元に関しては、河北新聞を中心とした地元メディアによって周知してもらい、われわれは全国にネットを使って伝えていく。最低でも10年やります。「ツール・ド」とは、もともと都市と都市を結んで、数日間にわたってやる競技。いつかはそのくらい成長させたい」(同)。
いつかは、被災地の復興イベントから巣立って、ツール・ド・フランスを目指すように、世界中のサイクリストたちがツール・ド・東北に集うようになって欲しい。ただし、いつまでも、いつまでも、地元の手で作られた温かいイベント、と言う部分は共存させてもらいたい。
すでにスタートから6時間。南三陸からの戻りの最中、最長コースを走っている道端カレンに追いつく。モデルの彼女だが、その姿はアスリートそのもの。150キロ程度を走行して疲弊しているはずなのに、どんどん先行するサイクリストを抜いていく。ゴールも午後5時を少し回ったところ。トライアスロンをやっているというのも、伊達ではない!
長距離をライドしたサイクリストたちも、どんどんゴールラインを切る。周辺からはおめでとうの声。これはレースではなく、楽しむイベント。目標はあくまでも完走であって、順位ではないのだ。
来年は、サイクリストたちと一緒に、走って「応援される側」を体験してみたくなった1日だった。
(写真:那須川薫、石巻在住)
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