縮む未来を映す「松坂屋上野店のデパ地下」《それゆけ!カナモリさん》
百貨店は「ハレの日」の象徴であった。特に高度成長期以来、「小売りの王様」の座に君臨し続けてきた。しかし、百貨店売上高は9兆7131億円を記録した91年をピークに減少に転じた。
もはや「小売りの王様」が君臨する市場という領土は縮小の一途を辿る運命だ。広大な領土を維持する意味はない。必要なのは、小さくとも自らが生きていける、守るべき領土を明確にしてそこでの最適な商売を再構築することが欠かせない。それが、松坂屋上野店のデパ地下の姿なのである。
もちろん、現在の中高年はしばらくするといなくなる。人の世の定めだ。その前に、次の「小さな領土」とそこでの「最適な商売のしかた」に柔軟に組み替えていくことも欠かせないのである。
金森努(かなもり・つとむ)

共著書「CS経営のための電話活用術」(誠文堂新光社)「思考停止企業」(ダイヤモンド社)。
「日経BizPlus」などのウェブサイト・「販促会議」など雑誌への連載、講演・各メディアへの出演多数。一貫してマーケティングにおける「顧客視点」の重要性を説く。
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