ジェフ・ベゾス自宅前「ギロチン設置」の深刻背景 金持ちが「共にコロナと闘おう」と宣言する欺瞞
つい最近、私はウーバーのCEOダラ・コスロシャヒとの「私的な」ディナーに招待された。ウーバーは毎日400万人の「ドライバー・パートナー」を搾取している。
そこで食い物にされているのは誰か。それは、必要な資格や経歴を得られなかったために情報経済の中で適当な居場所を見つけることができなかった人々や、伝統的な仕事で働くことができない人々だ(参照:ウーバーのやり口「冷静に見るとヤバすぎる」わけ)。
ウーバーのPRチームは、私をディナーに誘うことでその事実を覆い隠そうとしていた。私はその誘いを断った。
ダラには何年も前、彼がトラべロシティ社にいたころ一度会ったことがある。私が始めたばかりの会社を売り込みに行ったのだ。
彼は切れ味が鋭く愛想もよかった。もしディナーに参加したら、彼をもっと好きになったのは間違いない。そしてウーバーを、法律をかいくぐって貧しい人々を搾取する会社ではなく、ダラの善良さがしみこんでいる会社と見るようになっただろう。
私は政治家にも、これと同じ方針をとってもらいたい。政治家が少数の金持ちと接する機会が増えれば増えるほど、超富裕層にとっての問題や優先事項を中心に政策を考えないわけにはいかなくなる。
人は自分と境遇が似ている人、ともに長い時間を過ごしている人と、自分を同一視する。それは同族を優先する人間の性である。このような接触は、私たちの国のシステムの中に組み込まれている。それはダラとの夕食会のような組織的なイベントにとどまらない。
民主党上院議員の財産の中央値は94万6000ドル、共和党上院議員は140万ドルだ。彼らは子どもを学費の高い学校へやり、高級レストランで食事をし、えりすぐりのバカンスを楽しむ。
彼らの周囲にいる人々はみなウーバーの幹部であって、ウーバーのドライバーではない。ウーバーの上層部に対して少々のことは目をつぶり、ウーバーのドライバーの窮状に目が向かないのは、自然なことだ。
パンデミックで加速した「金持ち優遇」政策
だからパンデミックへの連邦政府の対応は、予想どおりのものだった。「最も弱い人々を守る」と言いながら、最も力のある人々に何兆ドルも金を手渡していたのだ。
2020年3月に議会で成立した2兆ドルの緊急支援は、未来の世代からその原資を盗んだものだった。2020年第2四半期の個人所得は、給付金と追加の失業給付のおかげで第1四半期より7.3%増加した。4月の個人貯蓄率は33%となり、1960年代に記録が始まってから歴史的に群を抜く高さである。
救済策には900億ドルの減税もあるが、この恩恵を受けるのはほぼ年収100万ドルを超える人々だけだ。金持ちであるほど得をする。8月初めには、アメリカのビリオネアたちの富は総計で6370億ドルも増加した。
何十年間もそうだったように、民主党と共和党が超党派で一致できる政策は1つだけだ。それは無謀な財政支出をして金持ちを儲けさせ、困窮している人にはわずかばかりの資金しか出さない政策だ。
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