2022年後半までに世界経済が直面する最大のリスクはスタグフレーションではなく停滞(スタグネーション)の可能性があると、野村ホールディングスが指摘した。
コストの上昇によって起こるインフレがまだ弱い内需に打撃を与えるとともに、財政・金融政策の引き締めが逆風になると分析した。
ロブ・スバラマン氏らエコノミストは10日に公表した2022年の見通しリポートで、ほとんどの国で「コストに起因したインフレが重みを帯びており、これは利益率を押し下げ実質家計所得を減らし、需要が弱い時に自己修正する傾向がある悪いタイプのインフレだ」と説明した。
ユーロ圏や英国、日本、中国を含むほとんどの国・地域は新型コロナウイルス禍から完全には回復しておらず、脆弱(ぜいじゃく)な個人需要は成長減速の影響を受けやすいとエコノミストらは指摘した。
インフレによる企業利益と家計所得の浸食や景気不透明感の中での貯蓄率上昇が成長減速の要因になり、財政・金融政策の転換が大きな重荷となる可能性があると分析した。
ただ米経済だけは「十分に力強い需要」を回復し、従ってコスト主導のインフレを吸収するクッションがより大きいとエコノミストらは付け加えた。
原題:
Global Economy to Face Stagnation Risks in 2022, Nomura Says(抜粋)
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著者:Jiyeun Lee
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