受験を成功させるカギは、「非認知能力」にあり 「選ばれる」ではなく「選ぶ」姿勢で受験に挑む

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新学習指導要領にも導入され、今、注目されている「非認知能力」。非認知能力とは、IQやテスト、偏差値のように数値化される学習能力とは異なり、目的を持ってやり抜く力や、リーダーシップのような数値では測れない個人の特性による資質・能力のことを指す。本連載「米国発!ボーク重子の世界基準の子どもを育てる『非認知能力コーチング』」では、「全米最優秀女子高生」を育てた母・ボーク重子さんに、世界基準で活躍できるように子どもの非認知能力を伸ばす方法について、解説していただく。第1回目は、受験でこそ生かせる非認知能力について話を聞いた。

志望校を選ぶ際には、ランキングを見ないで選ぶ

――いよいよ、連載スタートですね。1回目の今回は、本格化する受験シーズンに向けて受験をテーマにお話をお伺いします。

受験は、子どもの非認知能力を育む機会にもなれば、反対に弱くしてしまうこともあります。その分かれ目となるのは親子の受験に対する向き合い方です。

今回は、子どもの非認知能力を育む観点からどのように受験と向き合えばよいかについてお話しできればと思います。

まずは志望校選びについて。そもそも、受験というのは学校を選ぶことから始まります。この最初の一歩への向き合い方が子どもの非認知能力に大きく関わってきます。受験というと合否を決めるのは学校なので自分たちは「選ばれる側」と考えがちですが、「どの学校なら通いたいか」を決めて受験するのは受験生です。この「選ぶ側」という意識が非認知能力の育成には重要です。

「なぜ自分はその学校に通いたいのか」という理由付けが子どもの中にあれば、過酷な受験戦争に主体性を持って取り組み、やりたくない時も自制心を発揮して勉強し、大変な時も粘り強く頑張り、回復力でやり遂げることができるからです。

自分が選んで受験した学校だから、たとえどこに通うことになろうとも、その後の学校生活に意義を見いだすことができるからです。

では志望校について、選ばれる側ではなく、こちらが選ぶ側として選択するにはどうすればいいのでしょうか。そのカギは「自分軸」です。

(撮影:尾形文繁)

私の話ですが、娘のスカイが大学を受験する際には、学校ランキングの類いをいっさい見ませんでした。通っていた高校からも、大学ランキングは見ないでくださいと推奨されたのです。ランキングを気にすると、ランキングが少しでもいい大学=よい大学=自分が行くべき大学と、「他人軸」で学校を選んでしまいがちです。しかし、ランキングを見ないで決めると、本当に重要な選択肢が見えてきます。「自分にとって大切なことは何か」という自分軸で選択できるようになるのです。

例えば都会に住みたいのか、田舎に住みたいのか、少人数制のクラスがいいのか、大きい講堂でやる授業がいいのか、理系に強いほうがいいのか文系なのか。ランキングを無視したときに見えてくる、自分にとっての判断基準。勇気がいるかもしれませんが、ランキングを見ることはいったんやめてみることをお勧めします。

――なかなか勇気が必要ですね。つい、入れるところという視点で学校を選んでしまいそうです。

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