ヨネックス、「錦織効果」でユニクロ上回る? 契約するワウリンカ選手敗退でも株価は急騰
看板選手だった石川遼選手との契約が2012年末で切れたことで、3本目の柱であるゴルフ用品(売上構成比3%)が低迷ぎみとなっている中、バドミントン部門と競い合いながら年々売上高を伸ばしているテニス部門は、ヨネックスの準主力部門として存在感を増している。
足元の2014年4~6月は、このテニス部門の売り上げが欧州市場で大きく伸びた。その理由は、ヨネックスが契約しているワウリンカ選手が全豪オープン(1月開催)で優勝したことによるもの。「ワウリンカ選手はスイス出身のため、欧州での知名度が高い。彼の使っているラケットが、欧州や米国、その他海外市場でも、大きな評価を受けた結果」(ヨネックスの連下千歳常務)という。
ワウリンカ選手は欧州では人気抜群でも、日本ではテニスファンの間でさえ知名度がいま一つだったとみられる。それだけに、ベスト4をかけた錦織選手の対戦相手として、日本でも知れ渡った意義は大きい。当然、ワウリンカ選手が身につけていたヨネックス製の競技ウエアや、ヨネックスのロゴがストリング(ガット)に浮かび上がったラケットの露出効果は小さくなかったはずだ。
バドミントン界でも追い風が吹く
テニス用品で注目を集めたヨネックスだが、主力のバドミントン用品も好調が続いている。
2012年に開かれたロンドン五輪のバドミントン女子ダブルスで、藤井瑞季選手、垣岩令佳選手のペアが、バドミントン競技の日本勢としては初のメダル(銀メダル)を獲得した。その後、中学や高校の部活動でバドミントンを希望する生徒が目立つようになったともいわれる。
ロンドンの余熱が続く中、今年は「バドミントン界で、たいへんなことが起きた」とヨネックスの連下常務は言う。バドミントン世界大会の1つとして有名な「トマス杯(男子国別)」「ユーバー杯(女子国別)」で日本選手団が大活躍。トマス杯では男子が優勝し金メダルを獲得、ユーバー杯では女子が33年ぶりに決勝へ進出し、準優勝を遂げたからだ。
こうした追い風もあり、ヨネックスの今2014年度の業績は、前期に続いて2ケタの営業増益となり、2004年度以来10年ぶりの高水準が見込まれている。
錦織選手が勝ち進んでも、ファーストリテイリングや日清食品ホールディングスのビジネスに寄与する可能性は、企業規模が大きかったり、本業との関連性が薄かったりで、会社全体への影響度という点では限界がある。だが、ヨネックスの場合、本業のスポーツ用品ビジネスに直結するため、契約選手の活躍やおひざ元である日本選手の活躍は大きな恩恵となりそうだ。
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