日産の低燃費カー見参! 衝撃の“100万円切り”
アイドリング停止で火花
エンジンも4気筒から3気筒に変えて軽くなった。実は3気筒の搭載は日産初。気筒減少は摩擦軽減や熱効率向上にも寄与する。車重減は燃費計測時に有利に働くゆえ、日産悲願の「小型車で燃費ナンバーワン」が実現した格好だ。
「当初はここまで低燃費車になるとは思わなかった」(日産関係者)。マーチはタイのほか新興5カ国で生産、世界160の国・地域で販売されることから、「いかに安く、作りやすくするかに主眼が置かれた」(同)。ただ消費者の環境意識が高まる中、最後はアイドリング停止機能を盛り込み、2キロメートル相当の燃費改善を“ダメ押し”した。
特別な運転操作なく、低燃費を実現できるアイドリング停止機能では、マツダが先行。が、日産車はステアリングを切ったままでも、停止する。アイドリングの停止する機会が多いほど燃費は向上するわけで、新技術における新たなバトルも興味深い。
先進国での小型車志向、新興国での中間層拡大とも取り込めるのが小型車だ。ホンダやトヨタは100万円前後の小型車を準備中で、ダイハツ工業も1リットル当たり30キロメートル走る軽自動車の来年発売を予告。スモールカー大競争時代の幕は切って落とされた。
(週刊東洋経済2010年7月24日号 撮影:今井康一)
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