自動車評論家がトラックで見た「砂漠の空」の衝撃 旅先で見てきた脳裏に今も過ぎる思い出の空
その時、ふと脳裏に浮かんだことがある。子どもたちを連れて三宅島に遊びに行ったときのことだ。
子どもたちとは、息子と兄弟の子供3人のことだが、竹芝桟橋から7時間ほど(だったか?)の船旅を楽しみ、島では知り合いの家のひと間に泊めてもらった。部屋は庭に面していた。
夕食を終えた子どもたちは、走り回ったりテレビを見たりしていたが、庭に出たひとりが突然、「お星さまがきれいだよ~!!」と大声をあげた。その声につられて、子どもたち、そして僕も家内も庭に出て空を見上げた。「三宅島って、どうしてこんなにお星さまがいっぱいなの!?」と誰かが訊いた。
文字どおりの「満天の星空!」
東京とはまったく違う星空、、文字通り「満天の星空!」だった。そして、子どもたちは星空を眺め続けた。テレビの前に戻る子供はいなかった。三宅島には1泊しかしなかったが、その夜のほとんどを庭で過ごした。
最近は怠惰な旅ばかりだが、そんな中でのお気に入りはハワイとウィーン。ウィーンで美しい空が見られるポイントはみつけられていないが、ウィーンの前のお気に入りだったパリでは見つけた。
セーヌ河の橋からパリの夜明けを眺めるのだ。早朝のパリを撮るために、高名なカメラマンと同行した時(文章は僕が書く)の早朝ロケで見つけた。
記憶は少し怪しくなっているが、オルセー美術館に近い橋の上から東の方向を見る。日の出の少し前、朝焼けの前……空がなんとなく明るくなってくる頃がいちばんいい。