副業するなら「本業と同じ分野選ぶべき」3つの訳 重要なのは「どうやって顧客に価値提供するか」

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②は、本業で得た知識や人脈を副業に活かすことで、成果を出しやすくなるということです。

銀行を転職した私は、Webマーケティング会社で働きました。企業は大規模なWebサイトを運営していますから、個人では入手しにくいABテスト(Webマーケティングの手法の1つで、「どちらがよりよい成果を出せるのか」を検証する試験)のデータが入手できます。

例えば、ブログでいえば、

・緑色のボタンのほうがクリック率は高い
・ボタンは1つより2つのほうが最終的な申込み数は多い
・目次が最もクリック率が高い

といったことです(サイトの規模やジャンルにもよるため絶対とはいえません)。

実際に本業でさまざまなABテストを行い、効果があるかないかのデータを積み上げていき、効率的に副業に取り入れました。また、副業のブログで発生した問題や困ったことなどを、本業の社内のデザイナーやプログラマーなどに相談できるという点も、非常に恵まれていたといえます。

そして③ですが、副業で得た経験を本業に活かすことができます。副業に取り組んでいたからこそ気づけることがあり、それを本業に活かすことで成果を出すことができました。

法人サイトとの戦いを避けながら稼ぐ

例えば副業では、個人がブログを運営するので、法人サイトとの戦いを避けながら稼ぐ戦略を考えなければなりません。当時、法人サイトの多くが「ビッグキーワード」「ミドルキーワード」と呼ばれる、「多くの人に検索されるキーワード」での露出を狙って記事を作成していました。なぜなら、多くの人に検索されるキーワードで上位表示されれば、多くの人に読まれるので商品やサービスが売れる可能性が高まるからです。

そのため、「ビッグキーワード」「ミドルキーワード」は法人サイトばかりで、個人ブロガーが入れる余地はほぼありませんでした。ですから私が副業で運営していたブログでも、「ロングテールキーワード」と呼ばれる「少人数にしか検索されないキーワード」を狙いにいっていました。

(画像提供:KADOKAWA)

すると、「ロングテールキーワード」を狙う法人サイトや個人ブログはブルーオーシャンで競合が少なかったため、すぐに検索上位に出てきたのです。検索ニーズもしっかりしているため、商品の申し込み率(購入率)も高いことに気づきました。その気づきを本業にも活かしたのです。

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