千葉・鴨川に出現、22階建て「終の住みか」の全貌 三井不動産が開発、都内から居住者が続々

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パークウェルステイト鴨川の開発地は元々、総合病院や特別養護老人ホームなどを展開する亀田グループが所有しており、かつては空港向けの採石場として利用されていた。採石が一段落した後は遊休地となっていたことから、亀田グループが三井不レジに老人ホームの開発を打診し、プロジェクトが始動した。

パークウェルステイト鴨川は総戸数473戸中、64戸は専用設備や24時間の見守りサービスが付いた介護居室となっている。施設内には亀田グループが診療所を開設し、入居者の健康状態を観察。介護が必要になった場合は一般居室から介護居室へ移り、さらに治療や入院が必要になれば近隣の亀田病院に移る。

自立型老人ホームの中には、介護や医療が必要になると退去せざるをえない施設もある。これに対し、パークウェルステイト鴨川では、入居者は要支援や要介護状態となっても、原則同じ施設にとどまることができるため、鴨川が文字通り「終の住みか」となる。

高級仕様に仕立て上げる

不動産会社が病院と連携し、CCRCの機能を持つ施設を開発したのは全国的にもあまり例がない。

健康を自認するシニアが対象であるためか、建物に介護施設の雰囲気はほとんど見当たらない。外観は都市部に林立するタワーマンションと遜色なく、エントランスは三井不レジの分譲マンションの中でも最上級ブランド「パークマンション」に匹敵する高級仕様に仕立てた。

1~2名用の居室は40平方メートル~110平方メートル台と広く、専有部は分譲マンションと同様の設備を導入した。一方で、「背の低い入居者向けに照明のスイッチを低く設置し、逆にコンセントは床からやや高い位置に配置して腰をかがめる必要がないようにしている」(シニアレジデンス事業部の石川一寛主任)と、設計はシニアを意識した。

入居者同士の交流を促進し、日々の暮らしに刺激を与えるよう共用施設も充実している。大浴場やプールも備え、食事は施設内のダイニングで専属のシェフが振る舞う。11月の利用開始に合わせ、家庭菜園や陶芸教室、釣りにゴルフ、カルチャースクールなどの入居者向けプログラムも用意していく。

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