スパイ容疑で神奈川県警が誤認逮捕

「六本木の赤ひげ」アクショーノフさんを悼む④

アクショーノフさん

アクショーノフさんはスパイ、あるいは工作員と疑われ、何度か逮捕され、取調べを受けた。

最初の事件は、米国へ亡命したラストボロフ駐日ソ連大使館員のスパイ事件だった。在日ソ連スパイ事件では、1982年のレフチェンコ事件と並んで有名な事件である。

突然姿を消したラストボロフ

ラストボロフはスターリン死亡の翌年の1954年1月24日、帰国を前に突然姿を消した。駐日ソ連代表部は2月1日、「在日米諜報機関に拉致され抑留されている」との声明を発表した。米CIA(中央情報局)犯行説をにおわせたものだが、駐日米大使館スポークスマンは当然のごとく「何ら関知しない」と否定した。

8月14日になって日本の外務省と公安調査庁は本人の希望で米国へ亡命したこと、外交官を装いスパイ活動を行い、若干の日本人と関係があったことを明らかにした。

だが、実際にはラストロボフはソ連内務省所属の駐在工作員で、日本人の協力者が三十数人にのぼることが分かり、警視庁公安部はびっくり仰天した。協力者の数は1941年に摘発されたドイツ人スパイ、リヒアルト・ゾルゲ事件に匹敵する規模だったからだ。

それから2年後の1956年2月、ラストボロフは米国上院司法委員会調査小委員会の「米国におけるソ連の活動の規模」に関する聴聞会で、証言台に登場した。そして同年7月、小委員会の秘密会での供述が行われた。

次ページ性病リストなど見たこともない
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 非学歴エリートの熱血キャリア相談
  • あふれる独自性 ニッポンのすごい研究者
  • 本当は怖い住宅購入
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
改正対応待ったなし!<br>働き方と仕事の法律

同一労働同一賃金の本格化、中小企業でのパワハラ防止対策の義務化など、今年は重要な改正法の施行が目白押し。2022年に施行される法律の要点に加え、昨年の4月に施行された改正民法も総点検。改正ラッシュへの備えを万全にするための法律虎の巻です。

  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT