カナダで同時開催のG8・G20、経済危機、新興国台頭で国際秩序が変動
さて、2010年は現行日米安保条約締結50周年にあたる。米国は、日本と基本的価値と戦略的利益を共有する同盟国であり、日本外交の基軸である日米同盟を日本自身の安全の基礎・そしてアジア太平洋地域の公共財として、大切にしていく必要があろう。強固な土台に基づいた日米関係の深化について、図でまとめてみた。
筆者はこのタイミングが、日米両国の民主党のパートナーシップによる外交の新基軸をつくるいい機会だと思っている。冒頭述べたように、安全保障はその問題単独では実現できない。軍縮・平和の実現の中でうまく歩調をあわせていきたい。具体的には、アジア安定化、核軍縮、環境ビジネスの3つが優先事項だ。
米国オバマ大統領は今回のサミットで6カ国首脳と個別会談を行うが、このうち5カ国は日本、中国、韓国を含むアジアの国々だ。「大統領のアジア重視の象徴」だとホワイトハウスは強調している。G20の参加国ではないが、アフガニスタン・イラク・マレーシア・インドネシアの安定化への協力を、日米関係で行えればと考える。日本はアジア諸国からの信頼が高い。アメリカとのうまいブリッジとしての役割が求められる。
5月末の核拡散防止条約(NPT)再検討会議では、10年ぶりに最終文書を採択できるなど、ある程度の成果を残すことができた。日米協力の下で、もっと進んだ、核不拡散の新たな枠組みを打ち出すべきである。それが中国の核軍拡を止めるカギともなろう。
最後に環境エネルギービジネスでの協力までつなげたい。日米政府間で枠組みを作れば、日本の環境エネルギー技術をアメリカのビジネス構築力をあわせて世界でビジネスを掘り起こすことができるのではないだろうか。
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