【産業天気図・損害保険】3メガ体制で競争は激化、システム統合負担も重く、雨が続く

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10年4月~9月 10年10月~11年3月

損害保険業界は、統合コストが重いうえに、国内市場のシュリンクが響いており、雨模様が続く見通しだ。

損保業界は4月から3メガ体制となった。東京海上日動火災を中心とする東京海上ホールディングス、三井住友海上、あいおい、ニッセイ同和損保の3社が経営統合したMS&ADホールディグス、そして損保ジャパンと日本興亜損保が統合したNKSJホールディグスの3グループ。その中でも、MS&ADとNKSJグループは今後、システム統合などに向けて投資負担が増加する見通しだ。

MS&ADはシステム統合など一時的なコストとして約700億円を予定、2013年度(08年度比)は年間約400億円、15年度以降は年間500億円以上の統合シナジー効果を見込んでいる。また、NKSJもシステムなど当面5年間の一時的コストを約600億円とみており、統合後5年目にあたる14年度以降は年間500億円(税引き前利益ベース)のシナジー効果を見込んでいる。

しかし、それだけの投資・統合効果が計画通り実現できるのか、環境はかなり厳しい状況と言わざるを得ない。

国内の主力市場である自動車保険は、少子高齢化、若者の車離れ、環境を配慮したエコカーや小型車などにシフトが見られ、景気低迷だけが原因とはいえないマーケットの縮小が続いている。そのなかで、ダイレクト系損保も含めた熾烈な競争が続いており、さらに、高齢者ドライバー増加、高速道路の料金値下げによる休日ドライブの増加などを背景に事故率は上昇傾向にある。

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