首相4候補「中国や北朝鮮への防衛、私の考え方」 米「中距離ミサイル」の日本配備をどうする?

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松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長・解説委員、右)と梅津弥栄子キャスター(フジテレビアナウンサー(写真:FNNプライムオンライン)

米国が配備を検討する中距離ミサイルには、核が搭載される可能性も指摘されている。非核三原則の「持ち込ませず」を見直すかどうかについては、4候補とも検討しない考えを示した。

ただ、河野氏は、自民党国際局長だった2010年に日米討論会に出席した際に、有事の際に米国の核兵器を日米で共同運用する「核共有」も選択肢の1つだとの認識を示し、その前提として「非核三原則を変えればいい」と発言したと報道されている。

番組キャスターが「考えが変わったのか」と尋ねると、河野氏は質問には直接答えず、中国の軍拡に触れたうえで「日本と中国の2国間で何かできるという状況ではない。国際社会がどう中国と向き合っていくかを議論していかなければならない」と述べた。

以下、番組での主なやりとり。

カギとなるのは日本の情報収集能力

松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長・解説委員):北朝鮮が次々と巡航ミサイルや変則的な軌道を描く弾道ミサイルなどを打ち上げている状況で北朝鮮のミサイルをどう防御するか、ということに加えて、どう打たせないか、の抑止力の問題も焦点だ。北朝鮮にミサイルを撃たせないために必要な抑止力とは何か。

河野氏:いま日本に必要なのは情報収集能力の強化だ。北朝鮮で何が起きているかを常時監視できる能力を持つこと。北朝鮮に対する抑止というものを日米同盟できちんと整備して、相手側にそういう能力を持っていることをしっかり伝えることだ。

岸田氏:情報収集能力の向上は当然だ。わが国のミサイル迎撃態勢、イージス態勢を絶えずブラッシュアップしていくことも重要だ。北朝鮮は、日本に届くミサイルを500~600発持っていると言われている。第1撃のみならず、第2撃に対する備え、いわゆる敵基地攻撃能力を含めて、抑止力として用意しておくことも考えられる。

高市氏:やられてもやり返さないということは、どうしようもないことだから、精密誘導ミサイルの配備は絶対だ。敵基地無力化をいかに早くするか。(人工)衛星への妨害は技術的にはできる。これを自衛隊の任務として認めるかどうか。また、無人機も必要だ。特に偵察などに必要な無人機の導入。電磁波も防衛に使えるが、大学によって防衛の研究として認めない風潮がある。これを変えていくことも非常に重要だ。

野田氏:当日(15日)、党本部で緊急役員会があった。巡航ミサイル、トマホーク級(飛翔距離)1,500km。極めてゆゆしき問題だ。残念ながら北朝鮮の(発表)情報がベースで、米国と韓国から情報をもらって精査すると。日本に情報収集能力がないことが一番の問題で、抑止力以前の問題だ。そこはしっかり取り組んでいく。

次ページ米国から中距離ミサイル配備の正式要請があったら?
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