自民総裁選がスタート、「第100代首相」選ぶ選挙に 出陣式や推薦人の顔ぶれににじむ個性と工夫

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今回の総裁選は国会議員票と党員・党友票それぞれで383票(17日現在)、合計766票を各候補が取り合うことになる。党員票は28日までに、議員票は29日に投票が行われ、29日に同時開票される。いずれの候補も過半数に達しなければ、上位2人による決選投票が行われる。

総裁選の優劣とも絡むため、毎回注目されるのは各氏の推薦人の顔ぶれだ。今回は「誰が勝かわからない大混戦」とみられており、各陣営はそれぞれ工夫を凝らした跡が目立つ。

オンライン討論会が主戦場に

河野陣営は細田派2、麻生派3、竹下派3、二階派2、石破派2、石原派3、無派閥5と、岸田派を除く党内各勢力からほぼまんべんなく推薦人を集めた。ただ、河野氏とタッグを組んだ石破茂元幹事長と小泉進次郎環境相の名前はあえて外した。

岸田陣営は細田派4、麻生派4、竹下派4、岸田派2、谷垣グループ2、無派閥4と大派閥に比重をかけ、決選投票になった場合も想定した推薦人名簿にみえる。

高市陣営は細田派7、竹下派2、二階派5、谷垣グループ1、無派閥5と、安倍前首相の支援をうかがわせる細田派が主力で、他派閥のメンバーもいわゆる保守派が目立つ。

野田陣営は竹下派3、二階派8、石原派1、谷垣グループ1、無派閥7と他陣営に比べて偏りが目立つ。とくに、二階派の人数が突出している点は、推薦人集めの際の同派の協力と秘めた思惑に他陣営の注目が集まっている。

告示を受け、18日午後に行われる日本記者クラブ主催の候補者討論会から候補者同士の本格論戦がスタートする。今回はコロナ禍への対応から地方での演説会は実施されず、オンラインでの討論会が論戦の主舞台となる。

過去には有力とされた候補が不注意な発言などで急失速した例もあり、29日までの候補者論戦は、水面下で進む派閥単位の多数派工作とも絡んで「何が起こるかわからない乱戦」(自民幹部)となる可能性もある。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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