なぜ起業に「アートのマインド」が必要なのか? 孫泰蔵が実感する時代の変化とマスコミの問題

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
一見無関係に思えるけれど、起業にはアート(芸術)のマインドも必要?(写真:Graphs/PIXTA)
起業家に求められる素養といえば、経営やビジネスの知見、マーケティングのセンスなどがすぐに思いつく。だがこれからの時代はそれだけでは足りない。一見起業とは無関係に思えるアート(芸術)のマインドも必要だ。これがなければ市場で受け入れられないだろう。
世界的なトップミュージシャンの創造技法からビジネスのヒントを解き明かす話題の書籍『創造思考:起業とイノベーションを成功させる方法はミュージシャンに学べ』(東洋経済新報社)が先日刊行された。本書の推薦者でもあり、バンド経験もある連続起業家の孫泰蔵氏は「起業はアートだ」と考えている。その真意を聞いた。

なぜビジネスにアートのマインドが必要なのか

起業家と音楽家。片やビジネス、片やアートと、対極にいる存在だと位置づけられることもある両者ですが、そんなことはありません。

『創造思考:起業とイノベーションを成功させる方法はミュージシャンに学べ』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

『創造思考』の中に、こんな一節があります。「間違いなく人類最大の父であるレオナルド・ダ・ヴィンチは科学者であると同時に芸術家であり、科学を芸術に、芸術を科学に役立てたのも偶然ではない」。音楽活動もしてきたし起業もしてきた僕は、この考えにまったく同感です。

起業と音楽は無関係でも対極に位置するものでもない。僕は起業も音楽と同様に、アートと捉えたほうが面白いと思っています。どちらも本来的には、創造的な、楽しい営みなのです。

そしてもう少し踏み込んでいえば、これから起業家にはアートのマインドが不可欠になります。これを持ち合わせていないと起業家として成功するのは難しいでしょう。

昔は、安くて品質の良い商品やサービスを作れば売れる時代もありました。だから当時は、そのニーズに応えられる起業家が成功しました。

次ページ日本人はアートが苦手?
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事