子どもが言う「学校がダルい」はSOSかもしれない 親が見落としがちな「5つのSOS」気になる兆候

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子どもが「学校、ダルい」と愚痴を言って気持ちの整理をするのは、実はとても大事なことで、相手が誰でもいいというわけではありません。一番信頼している人に聞いてほしいものなんです。

だから、子どもがぐちぐち言い始めたら、信頼関係が成り立っていると思って、聞いてあげてほしいと思います。

もし子どもが「学校を休みたい」と深刻に言ってきたときは、休ませてあげてください。子どもの年齢にかかわらず、保護者の方も仕事を休み、その日は子どもと一緒にいてあげるのがいいと思います。子どもが風邪をひいて学校を休むことになったら、その日は仕事を休んで子どものそばにいるのと同じで、保護者の方もそのほうが安心できると思います。

そして、子どもがひとりで楽しんでいられるようなら、ひとりにしておき、子どもが話をしたそうであれば、聞き手になって耳を傾けてあげてください。

子どもが学校を休みたいと言うときに、保護者の方からよく出てくるのが「もう少しがんばってみよう」という言葉で、似た言葉に「もう少し様子を見てみよう」があります。

学校を休みたいと言う子どもは、強いストレスを受けています。子どもにとって初めてのことも多いだろうと思います。

「もう少しがんばってみよう」と言われると、子どもはすごく苦しくなります。まわりの人が励ますつもりで言った言葉も、子どもを追い詰めてしまうのです。

こまめに休むと深刻な事態になりにくい

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うまくガス抜きをさせてあげることが一番です。こまめに休んでいれば、ある日突然体が動かなくなって1年学校に行けない、長く引きこもる、という深刻な事態は起こりづらくなります。

学校が大事というより、あなたが大事という心持ちで接し、「ときには休んでもいいから、手を抜きながらやればいいよ」と、休み方や力の抜き方を教えてあげてほしいと思います。そうすることで、その後も、子どもはうまく社会とつきあっていけるようになるのではないかと思います。

石井 志昂 『不登校新聞』編集長

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いしい しこう / Shiko Ishii

1982年東京都生まれ。中学校受験を機に学校生活が徐々にあわなくなり、教員、校則、いじめなどにより中学2年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」へ入会。19歳から日本で唯一の不登校の専門紙である『不登校新聞』のスタッフとなり2006年から編集長、2020年からは代表理事も務める。これまで不登校の子どもや若者、親など400人以上に取材し、女優・樹木希林氏や社会学者・小熊英二氏など幅広いジャンルの識者に不登校をテーマに取材を重ねる。「あさイチ」「逆転人生」(NHK)「スッキリ」(日本テレビ)「報道特集」(TBS)などメディア出演多数。不登校新聞社が編著書として関わった書籍に『学校に行きたくない君へ』(ポプラ社)などがある。

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