KDDIvs住友商事、JCOM争奪を終えても三角関係に残る火種
KDDIはもともとJCOM子会社化には意欲的。小野寺正社長は4月の決算会見で「将来的には過半数を握りたい」と明言。自社の通信事業に、JCOMのインフラやコンテンツなどをより積極的に活用したいとのスタンスだ。
「KDDIにとっては、子会社化してこそできることが多い」とJPモルガン証券アナリストの佐分博信氏も指摘する。「JCOMが持つアクセス回線やメディア事業を獲得できるほか、基幹ネットワークの統合などコスト削減効果も大きい」(佐分氏)。
だが、これを住商が簡単にのむとは考えがたい。同社にとってJCOMは「15年間手塩にかけて育ててきた」(大澤常務)虎の子。歴代社長や役員など常時50名以上を派遣しており、思い入れは強い。
円満会見で新たな幕を切ったが、大株主2社の思惑は交錯する。両社で総額5000億円を投じた3社連合の行方はまだ波乱含みだ。
(桑原幸作 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済2010年6月26日号)
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