日産が北米市場でホンダ猛追

焦点:デザインに高評価

調査会社JDパワーのグローバル・オートモーティブ部門バイスプレジデントのデーブ・サージェント氏は「品質が高く、信頼もできるが、心躍らせるようなものではない」と述べた。それでも「高品質で信頼できるというホンダの印象は(日産より)著しく良い」とも述べた。

日産はこれまで、面白みがないと見られることも多かった。

しかしゴーン最高経営責任者(CEO)や、グローバルデザインを率いる中村史郎氏の下、日産車は最近、デザインに磨きがかかっていると評判だ。

米ゼネラル・モーターズ(GM)の元副会長で、グローバルプロダクトディベロップメントの責任者だったボブ・ルッツ氏は「重要なのは結局、製品とスタイリングだ」と述べたうえで、日産には「アルティマ」など「非常に魅力的な車がいくつかある」との見方を示した。

ホンダは最も人気にある3モデル「アコード」「シビック」「CR─V」への依存度が高く、これらは米販売台数の69%程度を占める。

半面、日産では、人気上位3モデル「アルティマ」「セントラ」「ローグ」が、米市場での販売台数に占める割合は52%にどとまる。

これは、日産が進める多様化戦略と一致する。日産が米国で販売するモデルの数が27なのに対して、ホンダは16モデルとなっている。

積極的な値引きやインセンティブ戦略

ホンダと日産による2位争いの結末は、両社の業績にとって重要な意味を持っている。カナダを含む北米市場は、4─6月期のホンダのグローバル売上高の約41%に当たり、日産では49%近くに相当する。

ホンダは、日産が店頭表示価格の引き下げや積極的なインセンティブ(販売奨励金)を通じて米市場シェアを伸ばしている、としている。

アメリカン・ホンダ・モーターのホンダ部門シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャー、ジェフ・コンラッド氏は「当社では、シェア拡大のために、短期的な販売戦略をとることはしない」と強調した。

トゥルーカー・ドットコムによると、日産車1台あたりのインセンティブは今年上期、平均2497ドルと若干低下した。ホンダは1969ドルで26%急増したが、日産の平均値はなお大幅に下回っている。

ホンダは販売価格や利益率でも、日産より堅実だ。トゥルーカー・ドットコムによると、ホンダの上期の販売価格は1台あたり平均2万7093ドル。日産の平均価格は7%下落し2万6150ドルとなった。

要するに、日産が米市場でホンダを抜くというゴールを達成するためには、相応のコストがかかる可能性があることを意味する。ゴーンCEOら経営陣は、どの程度の利益を犠牲にする覚悟があるのだろうか。

 

(Bernie Woodall、Ben Klayman、Paul Lienert 翻訳:吉川彩 編集:内田慎一))

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