日産が北米市場でホンダ猛追 焦点:デザインに高評価
[デトロイト 8日 ロイター] - 北米における日本の自動車メーカーの競争はこの25年以上の間、トヨタとホンダの2強による競争だったといっても過言ではない。日産は大きく遅れをとってきたが、日産の劣勢時代は終わったのかもしれない。
日産<7201.T>は、ここ最近発売したモデルがスタイル面で高い評価を得ているほか、その車種の幅広さや、積極的な値下げ戦略が奏功した結果、ホンダを急速に追い上げている。向こう数年以内には、1987年以来初めて、米市場での販売台数でホンダを抜き去る可能性がある。
日産はその野望を隠そうとしていない。
日産北米部門のホセ・ムニョス会長は「ホンダを抜くのは確実」としたうえで、2016年までに米市場でのシェアを10%に伸ばすことを目指している、と述べた。
1─7月の日産のシェアは8.6%で2009年の7.4%から上昇。ホンダは9.1%で、ピークだった09年の11%から低下、06年以来の低水準となった。トヨタ<7203.T>のシェアは現在約15%だ。
日産、デザイン重視で反撃
ホンダ<7267.T>はかつてトレンドセッターだった。日本の企業として初めて米国で自動車を生産、その後、全米において販売と生産を急速に拡大するさまは「常軌を逸したスピード」とも評されるほどだった。「We Make it Simple」「Honda: The Power of Dreams」などのスローガンで販促を展開、その品質の高さは瞬く間に消費者の心をとらえた。
自動車コンサルタントのメアリアン・ケラー氏は(ホンダは)「かつて高品質と洗練の代名詞だった。しかし今では、ホンダと聞いて何を連想するかとの質問に、消費者が答えられるのか分からない」と話す。
例えば、ホンダの人気車種には「アコード」や「シビック」などがあるが、どちらのモデルも「スタイルセッター」とは言えないだろう。