なぜ今復権?今さら聞けない「タリバン」の超基本 誕生したのはいつ?アメリカとの関係は?

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

アメリカはイラク戦争に資源を投入し始め、アメリカ政府はアフガニスタンが近代的な制度を備えた西洋式の民主主義国家への道を順調に進んでいると世界に発信した。しかし、多くのアフガニスタン人は、そうした外国の制度は、腐敗した指導者が金を盗むための新しい手段に過ぎないと感じるようになっていた。

地方ではタリバンが地盤を固め始め、特に農村部で支持を得ていた。彼らの数は増し、ある戦士は脅されて参加、他の戦士は喜んで志願したが、そのほとんど全員が地元の警察官よりも高い給料を得ていた。そして、彼らは、パキスタンのアフガン・ディアスポラ――過去の暴力事件を難民として逃れ、宗教的な学校で育った家族たちの中に、豊かな勧誘の鉱脈を見いだしたのである。

2008年のニューヨーク・タイムズは、「権力を追われて6年、タリバンは復活の兆しと獰猛さを示しており、警戒感は増している」と報じ、「この混成の反乱軍は、世界で最も強力な軍隊を抑え込んだ」と指摘した。

タリバンは、2010年に当時のバラク・オバマ大統領がアフガニスタンにおけるアメリカ軍の駐留を10万兵員にまで大幅に拡大したことで、うまく難局を切り抜けた。そして数年後、アメリカ軍が撤退し始めると、反政府勢力は再び勢いを得るようになった。タリバンは、アメリカが我慢の限界を超えて去っていくことに賭けて、粘り強い作戦を展開したのだ。

タリバンは正しかった。2400人以上のアメリカ人の命が失われ、2兆ドルものコストが費やされ、何万人もに及ぶアフガニスタン民間人や治安部隊の命が犠牲になったのち、ドナルド・トランプ前大統領はタリバンと取引し、2021年半ばまでにアメリカ軍はアフガニスタンから撤退すると宣言した。ジョー・バイデン大統領はこのアプローチを支持し、タリバンが全地域そして都市を制圧し始めた時でさえも、強硬に軍の撤退の指揮を執った。

今週、タリバンが最初の州都を占領してからたった9日後に、反政府勢力は首都のカブールに進攻した。タリバンによるアフガニスタンの統治が再開したのだ。

今のところ目立った行動は見られない

タリバンの次の目的は何か

タリバンの幹部らはこれまでのところ、炎上を避けようとしており、指導層に対して虐待や報復などを避け、ルールに従って行動するよう促している。アフガン人の身の安全も保障されるとしている。

これまでのところ、かつてのようなタリバンの行動は見られていない。しかし、タリバンの残忍さに関する報道やタリバンへの恐れから、多くの人がタリバンのブール侵攻前に脱出を試みた。今やカブールの国際空港は、どんな手段でも国外へ逃げ立とうとする何千人もの人でごった返し、カオスと絶望の舞台となっている。

主要都市の中で最も早くタリバンに掌握されたクンドゥーズでは、新たなタリバンによる和平公約をほとんどの住民が信じていない。「タリバンがこれから何をするかわからないので、とても怖い」と住民の1人は吐露する。「彼らが怖いので彼らを見たら微笑むようにしているが、正直心の底ではとても不幸な気分だ」。

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事