なぜ今復権？今さら聞けない｢タリバン｣の超基本 誕生したのはいつ？アメリカとの関係は？

こうした状況の中、タリバンはイスラム教の価値観を最優先し、軍閥の戦いの原動力となっていた腐敗と戦うことを誓い、瞬く間に支持者を集めた。数カ月にわたる激しい戦闘の末、タリバンはアフガニスタンの大部分を掌握した。

タリバンはどのように支配したか？

1996年、タリバンはイスラム首長国を宣言し、コーランの厳しい解釈を人々に課し、むち打ちや身体の切断、大量処刑などを含む残忍な公開罰則をもってそれを実践した。また、彼らは女性の役割を厳しく制限し、女性が学校に通うことを禁じた。

さらに、ライバル関係にある宗教に関する行為は容認されないことを明確にした。2001年の初めにタリバンは、世界から畏怖の対象として見られ、バーミヤン大仏として知られる仏像を破壊。タリバンはそれらを冒涜的であると見なし、それらを破壊する行為は神聖なものであると誇らしげに語った。「建設することよりも破壊することの方が簡単だ」と過激派の情報・文化相は述べた。

そこには、省庁や官僚を含む近代的政府の枠組みがあった。しかし、市民レベルで、アフガニスタン人の日常生活を決定づけたのは、宗教的な勅令であり、個々の指揮官の気まぐれだった。

しかし、彼らは国全体を支配していたわけではない。ムジャヒディンの司令官たちの多くが占領した北部は、抵抗勢力の砦であり続けた。

女性は仕事をしたり、学校に行くのは禁止

タリバンの支配は女性たちにとって何を意味するか

タリバンは、女性たちは社会の中で最も限定された役割しか果たすべきではないとのイデオロギーに根差していた。

彼らが前回統治していたときには、女性や少女たちはほとんどの職に就くことが禁じられ、学校へ行くことすら許されなかった。そして家の外で顔を隠さずにいるのが見つかれば、厳罰に処されるおそれがあった。未婚の女性が男性と一緒にいるのを目撃された場合にも罰を受けた。

タリバン政権がアメリカ主導の有志連合軍に倒された後、アフガニスタンの女性たちにとって状況は大きく好転した。しかしそれから20年後、アメリカ軍が撤退合意についてタリバンと交渉する中で、多くのアフガニスタン女性はこうした基盤がすべて失われるのだとおそれた。