快走スノーピーク、33歳新社長の知られざる手腕 「アウトサイダーな経営者」が語った次の一手

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人気で品薄の焚き火台(撮影:今井康一)

スノーピークが東証マザーズに上場したのは2014年。ESG投資といった観点が少しずつ浸透し始めた時期でもある。日本の株式市場でも企業と株主の関係性が変化していることがうかがえる。

中国は国策でキャンプ場開設 海外市場を開拓

今、スノーピークはキャンプ用品以外でもアパレルや飲食、企業向けへのアウトドアオフィスの提案など事業を拡大している。47都道府県でキャンプ場を運営する構想も打ち出している。5月の公募には約400件の自治体や事業者からの応募があった。一部はフランチャイズでの運営を計画する。

世界的なキャンプ人気を受け、海外市場の開拓も進める。キャンプの本場、アメリカをはじめ韓国、台湾、英国などに店舗を出している。同社によると、中国ではアフターコロナの国策としてキャンプ場を5000カ所つくる計画もあるという。小物だけではなく、テントも売れ始めているといい、山井氏は「豪華絢爛なラグジュアリーを追っていた人たちが、自然志向の豊かさに目を向け始めた」と期待する。

同社は2022年春、15万坪に拡大した新潟本社の敷地内にレストランを併設した大規模な温浴施設を開業する。建築家・隈研吾氏の設計で、露天風呂やサウナを備える。また、ヴィラタイプの宿泊施設もオープンし、キャンパー以外の需要も取り込む。今後も「衣食住」「働く」「遊ぶ」といった領域でアウトドア要素を取り込み、事業成長を狙う。

「昨年は、経営者としての経験値の低さに無力感を感じることもあった」と振り返る山井氏。一方で、経営のスピードや勘所などを学んだことは大きな糧になったという。

コロナ禍の中でより鮮明になりつつある、スノーピーク流の新たな経営。山井氏は、これから消費者にどれだけの進化を見せてくれるだろうか。

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